ダージリン「このメニューに書いてある紅茶っていうのは、産地はどこなのかしら?」チノちゃん「え?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
チノちゃん「え、えっと……」
ダージリン「フレーバーは? 品種は? 紅茶とだけ書かれてもわからないわ」
チノちゃん「すみません……」
ダージリン「はぁ……とりあえずメニューに書いてあるだけで全くリスペクトを感じませんわね」
リゼ「申し訳ございません。当店はうさぎがメインの喫茶店なので」
ダージリン「毛玉をうさぎとは言いませんわ。帰りましょう。オレンジペコ、ローズヒップ」スタスタ
ローズヒップ「はいですわ!」ドドドド
オレンジペコ「は、はい! ……すみません、店員さん」
チノちゃん「う、うぅ……」
リゼ「な、なんなんだあのクレーマーは」
俺「チノちゃん! ああいうのはあんまり気にしなくていいよ!」 チノちゃん「……」プルプル
俺「チノちゃん?」
チノちゃん「このまま黙ってはいられません! 俺さん、産地へ赴いてこだわりの茶葉を仕入れますよ!」
俺「チノちゃん!?」
チノちゃん「紅茶といえばインドです! ヒマラヤに行きますよ!」
俺「チノちゃん!!?」
チノちゃん「デリー行きのチケットを取りました!」ピッポッパ
俺「チノちゃん!!??」 ヒマラヤチノちゃん「俺さん、ラッセルは私がやるのでついてきてください!」
体重98kg俺「チノちゃん! 軽すぎてラッセルの意味がないよ!」ハァハァ
クライミングチノちゃん「今ザイルを下ろします! 登ってきてください!」
俺「う、うん!」
寝起きチノちゃん「モーニングチャイです。目覚まし代わりにどうぞ」
俺「文化を吸収してるねチノちゃん!」
俺「こうして俺たちは約三ヵ月間にも渡る山行の末、ついに至高の茶葉を手に入れたのだった」 ダージリン「……」ズズズ
俺「……」ゴクリ
ダージリン「これは……」カップを手から落としガチャーン‼︎
チノちゃん「ど、どうでしょうか……?」
ダージリン「この香り、味わい、温度……文句なし、ですわね」
俺「やったぁ!」
リゼ「悪質クレーマーを黙らせるなんてすごいじゃないかチノ!」
チノちゃん「いえ、ダージリンさん、勉強させていただきました」ダージリンと握手
ダージリン「こんな言葉を知ってる? 『成功とは、失敗を重ねても、やる気を失わないでいられる才能である』」
俺「今のチノちゃんにぴったりの言葉だね!」
リゼ「うっうっ、チノ、大きくなりやがって……」
チノちゃん「そして、俺さんもありがとうございました。俺さんがいなければとっくに諦めていたと思います」
俺「チノちゃん……」ウルウル 現実
チノ(え、フレーバ・・・?品種・・・?そんなの分からないよお)
チノ(そうだ、箱! 茶葉の入っていた箱に書いてあるはず!)
チノ「お待たせしました、これは『リプトン』という品種です!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています