官邸関係者によれば、首相を再び前向きにさせたのは、安倍氏の家族葬があった12日に党所属議員から受けた1本の電話だった。議員は「国葬を行った方がいい。安倍氏にふさわしい葬儀にすべきだ」と進言。当初は「根拠法がない」と説明していた首相だが、「法整備すればいい」と助言され、国葬は実施可能と意を強くしていった。

 首相が決断を秘書官に伝えたのは翌日。これを受け、秘書官が政府内の調整に入ると、内閣法制局から「国葬は閣議決定で行える」との見解が示され、法整備なしで国葬を行う方針が固まった。情報が漏れて横やりが入るのを懸念してか、この間、与党サイドと情報は共有されなかった。
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