ドイツ紙「警備の甘さより『絶望と孤独から攻撃的になる人』対策を考えるべきでは?」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e61e85571b283fe50a8b6e9ae891304bc3a5540c
安倍元首相の殺害もその延長線上にあるとし、セキュリティが不備だったことを議論するのも大切だが、それだけでは「普通の日本人が銃を自作し、わざわざそれを持って集会に出かけ、人をためらいもなく撃ち殺すことの説明はつかない」と指摘する。

そのうえで、これは日本の「集団社会」のなかでケアが行き届いていない問題の表れだと考察する。
日本の集団社会は「全員が自分の責務を果たすことで社会全体が機能する」もので、「比較的スムーズに生活できる」。

ところが、「日本の多くの人は、実は集団社会のためになる営みのみに関心があり、社会的な議論、マイノリティ、自分の身の回りの人などには関心がない」。そのため、「人と違ったり、成功できなかったり、ルールやヒエラルキーに適応できない人は、このシステムのなかでは急速に、かなり孤独な状態に陥ってしまう」というのだ。

そして、政治もこの問題の解決のためにほとんど動いていないと指摘。「自民党が率いる与党は伝統的に、社会問題や分断をほとんど気にかけていない。そのため、社会的な冷たさが生じ、生きる意味を見失ってしまう人が少なからず出てくるし、そのなかから危険な思想を持つ人が出てくることもある」