身体からツルが生えてきました.
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女の子の手首からツルが生えてきた.
女の子は困ってしまった.
なぜなら彼女は植物が好きで、どうしてもツルを切ることも抜くこともできなかったからだ.
女の子はこのツルをとても邪魔に感じていたが、どうしようもなかった. _
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.' :l _,」-──-L__ | | | 木になります!!!
| │ |´ ,ム、 ,.ム、 `! | |
| │ | / んハ 'んハ ! | |
| │ | { 弋ソ 弋ソ } | |
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人 | 人 、 , イ !: / |│
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\ \_ `¨¨´ | | │ そうこうしているうちに、ツルは他のところからも生えるようになった.
昨日は腕、今日は太もも.
身体に巻きつくツルをじっと見る.
女の子はこのツルを知っている.
ツルが生えてくる理由が、なんとなく女の子には分かっていた. 女の子はツルを育ててみることにした.
女の子は食べることがあまり得意ではなかったけど、その日からがんばって食べるようになった.水もたくさん飲んだ.
カーテンを開けてお日様の光を浴びて、いずれ外にも出るようになった.
外を歩けば当然視線が刺さるけど、女の子は気にしなかった.
この植物を育てる内に、生きる理由とまではいかないかもしれないけど、生きる目的みたいなものを見つけられたような気がしたからだ. やがてツルには花がついた.とても細く弱々しく見えるツルとは対照的な、大きく立派な花が咲いた.
僕の願いでしたこれが. 少女の手首からツルが生えてきた.
少女はツルと葉をちぎり、潰す.
潰した葉を傷口に当てる.
少女はこのツルを知っている.
青臭さと鉄臭さが混じり合い、葉が血で染みていく.
葉と血は、クリスマスを連想させる.
緑と赤は、やっぱり綺麗だなー.
少女は思った.
赤は愛と寛大さで、緑は力強さ.
「私には眩しくて、もったいない色だけど.」
「いっそのこと、血が黒色なら.」
「ああ、でも黒も強さの意味があるんだっけ.」
「忘れちゃった.」
少女は小部屋で独り呟いた.
きっと今の少女には、どの色も勿体なく感じられてしまうのだろう. やがて傷口は酷くかぶれた.
少女はツルが生えるたび、ブチブチとちぎり、潰して液を出しては身体に染み込ませた.
「ごめんなさい.」
少女の身体は醜くただれ、ボロボロになっていった. 女の子を僕は救いたかったです(とても).
幼い頃、僕の世話をしてくれた(毎日)女の子を.
笑う無邪気な女の子を.
ですが、少女はあの頃の女の子ではもうなくなってしまったようです.
僕では役にも立てそうにありません(何も、何もです).
余計に苦しめてしまうようなのです(痛く).
理想と現実は違うました.
僕はあの頃の笑顔がもう1度見たいのです.
『お母さん、このお花はなあに?』
『これはクレマチスよ.』
『すごく綺麗な花だね!』
『花言葉は、美しい精神.ツルはこんなに細いのに、花は大きくて立派でしょう?あなたもいつかきっと、この花のように力強く、美しい素敵な女性になれるわ.』
『うん!私くれまちす大好き!』
────────────────……
ブチッ.
おちまい
思ったよりクレマチスの毒はかぶれるので気をつけましょう〜(((*≧艸≦)ププッ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています