俺の書いた怪獣みてくれよ@「バサカロン」
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ここは至って普通の中世ファンタジーの世界。
バサカロン「(電子音)」カコカコカコ…
ガシャン、ズバシッ…
ガシャン!ズバシッ
バンゲート「止まれ、きさ─ぐわっ!」ズバッ
ソルージャA 「待っ─ぎゃあ!」ドズン!
ソルージャB「ひっ…!」メキメキメキ…メシッ
ロイヤルガ「うお〜っ!」チュドォオオン
ガシャン!ズバシッガシャン…
バサカロン「………」カコカコカコ…
堅物な防御扉「……………」ズォオオオン
堅物な防御扉「」ギロッ
バサカロン「………」グワッ
バサカロンの右腕武装はデッドエンド・アビスクラッシャー。
7000万シャワもの馬力を誇るクローハンドは自らの胴体ほどもあるマガラグナ隕鉄を容易く掴み、粉砕する。
人間の武器に対する防御扉など紙も同然。
ガシィッメリメリメリ…バキッ
堅物な防御扉「ギャァアアアア〜ッ!」メリメリメリ…
ズドォオオンン!
バサカロン「」ガシャン!
ヒョォオオオオ…
キングロー「」ヌワッ キングロー「おぉ〜…この王の間に、何用じゃ?来訪者よ…いや、」
キングロー「勇 者 あ あ あ あ よ!!!」
バサカロン「……」プシー…
キングロー「よもや、よもやだ。勇者たる貴公がこのような暴挙、気でも違ったというか」
キングロー「であれば致し方なし。秩序の王、キングローの剣をもって狂いし勇者殿に許しと暇を与えよう」
バサカロン「……」(電子音)
キングロー「…フッ、怒りと驚きで声も出ぬか。返事ぐらいせぬか勇─」クルッ
キングロー「えっ誰?」
バサカロン「」ズワッ
バシュ─…ン
キングロー「誰?」
バサカロン「」ゴオ──ッ
キングロー「いや誰?」ガギィイイイン!
フレーメア・バーニアによる長距離跳躍。エンシェントチェイルブレードの振り下ろしをキングローの大剣が受け止める。
レフトハンド・パワー・グロステップに取り付けられたエンシェラスタ鋼の巨大なブレードは一振りでダイナマイト1万発分の威力を誇る。
いかにゲーム中トップクラスのステータスを持つキングローといえども自分の身を守るのが精一杯だった。 バサカロン「」(電子音)グググググググ…
キングロー「いや誰?こいつ怖っ。力強っ」メリメリメリ…
バサカロン「」カコカコカコ…
キングロー「なんで何も喋らないの?」
キングロー「もしかしてワシの政敵クライムオー討伐に騙して出発させた勇者ああああか?だとしたら人間やめすぎじゃろ」グ…グ…
バサカロン「」ガシィッシュバッ
キングロー「おっ…」
王の油断。力の拮抗、一瞬の隙をついて破砕クローが剣の切っ先を掴む。
ブレードを除けたバサカロンの胸部に妖しき紫の粒が集まる。
バサカロン「」ギュ─…ン
シュパァ……ッ
キングロー「──かっ」ゴボッ
胸部三連主砲ギガロンボレー。
胸部中央のインビジブル・ディメンジョンコアから、粒子化した劣化ギガントプロトンを秒間7万2000発、撃ち出す。その威力はボレー級の隕石18発分に匹敵する。
ごくありふれた中世ファンタジーを舞台とするこのゲームのキャラクターでは当然、防げるハズもない。 キングロー「お、王のレガリア…キング・ロゥ・ズォードごとワシの体に風穴をあけるとは…ブハッ!」ゴバッ
キングロー(いやていうかコイツ誰?出る作品間違えてるよ絶対)
キングロー「」ベシャァアアア
バサカロン「………」キョロ
ヴィイイ─…ン
バサカロンは周囲を超高性能センサー、グラッピング・ネイルブラアシッドを用いて部屋中を探索する。どうやらもうこの世界には何のイベントも起こらないようだ。
ヴィイイイ─…ヴ─…ン
バサカロン「……」(電子音)
バサカロンは爆裂レイザーの発射準備を始める。通常発射までにゼロコンマ1秒もかからないが、世界丸ごと焼き払う規模のものには17秒ほどのラグがある。
バサカロン「」ピィ──ッ
チュドドドドォオオン!
右胸部装甲の隙間から放つ電脳爆裂レイザー。
発射口から360度あらゆる方向へ折れ曲がるレーザービームは無差別な大量破壊に適している。
バサカロン「」ピィ──ッ
ズドドドドォン!
バサカロン「」ピィ─ッピィイッピイ──ッ
ズドォ─オン!ボゴォオン!
バグォオオオン!ボゴォアア──…ッ バサカロン「………」カコカコカコ…
闇に燃え盛る炎、虚しく乾くスクロール点滅の音。
電子媒体に記録するのは何度目かわからない景色といえど、機械の悪魔に喜びも怒りも嘆きもない。
当たり前に壊し、ただ当然に燃やす。
昔からの行いに、疑問も抵抗もない。
破壊と殺戮だけが彼の本質であり、彼にそれ以外は何もなかった。
─パルォオオオ…
バサカロン「……?」
ふと眩しさを感じ、見上げる。
幾度も星の数ほど世界を破壊してきたが、こんなことは初めてだ。
眩しさの先には、どこにでもあるような、ありふれた平和な風景が、ただぽっかりと浮かんでいた。
バサカロン「………」ズイ
シャボン玉のように浮かぶ町並み。バサカロンは景色に向かって何となくクローハンドを伸ばす。
すると、
ギュワッ
バサカロン「……!」
バサカロンの質量1700万トンの機体が浮き上がった。
違う、引っ張られている。風呂やプールの栓を抜くとお湯や水が抜けるように、シャボン玉の町へと向かってバサカロンの機体が吸い込まれる。
バサカロン「……」ゴォ──ッ
バスケットボールほどに小さく見えた景色は近付くにつれ現実的な実感を帯び、飛び込むように侵入を果たすと、そこは一つの世界だった。
バサカロン(………)
町並みを見下ろしふわりと降り立つバサカロン。
静かで平和で穏やかな、このぼんやりと眩しい景色のなかで、彼は── バサカロン「」ピィ──ッ
ズドドドドォン!
バサカロン「」ピィ──イッピイ─ッピィイイ───
ズドォン!ボゴォオン!バゴォオン!
ボゴォアア──…
とりあえず破壊を開始した。
見つけたので壊す。壊せるから燃やす。
完成した当初からの行いに、躊躇も選択もない。
破壊と殺戮こそが彼の本質であり、それ以外はやはり何もなかった。 終
制作・著作
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