0001以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2022/04/27(水) 23:09:06.801ID:QnvbwM3ba彼女は、宇多田ヒカルを聴いて、泣いていた。平井堅を聴いて、泣いていた。
シティポップを聴いても、泣いていた。サイケも、ヒップホップも、ニューウェーブを聴いても、泣いていた。
そのうち、彼女は物音に泣き出した。
「怖いの」
鳥の声に泣いた。扉の閉まる音に泣いた。車のエンジン音に泣いた。隣人の咳払いに、泣いた。
「頭の中に監視カメラが仕込まれてる」
そうなるともう、居場所は病院にしかなかった。
白い防音の壁、音のない世界。誰もいない、牢屋のような個室。一人になった彼女は、心臓の音に泣いた。
「動いている音が、怖いの」