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(’-’*川スコシムツカシイトコロヨウヤクカケタオ🗝カギガアルトヤリタイコトモフエテクル🐰ショウセツカイテミタオ🍹マタ♪
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0001jc!ダオ
垢版 |
2022/04/14(木) 21:22:47.758ID:P1z7NsZe0
神さま、どうか__________
一度足元に目を落として少女は心に少しだけ祈ると、再び震えるこのうずくまった少年を正面にさり気なく見据えました。最早この少年はこの世にただひとり生き残り、その父も母も突然一瞬にして失ったのだ、そう思うと少女は今にも柔らかなその唇のかんぬきをあっけなく外してしまいそうな衝動に駆られました。それは恐ろしい瞬間でした。狂おしいほど顔が上気した赤黒い子供のように小さく痩せこけた一匹の悪魔が、その歪んだ口元に意地悪そうな穢れた牙をちらちらと光らせて背中から退屈そうな顔を作りつつこちらをひょっこりのぞいているようなそんな妙な気がしました。恐ろしい断崖の上の狭い部屋に、ただひとり秘かに閉じ込められて窒息しそうな、なめらかな手触りの大きな蛇にとらわれてだんだん激しく身体を絞めつけられているようなそんな呪いのような瞬間でした。
眼下に広がる真っ黒な憎悪の煙。それがゆっくりゆっくり、だんだん激しくすぐ目の前にまで沸き起こり、みるみる静かに街の真ん中に眠るあの巨大な王蟲の死骸すらを全て丸のみにのみ込んでしまって、従って今や二人は突如雨雲の上にでもいつの間にかに乗るかのようでした。風は静かに鎮まって、ついにすべてが命を諦めたかのよう。少女は眉間を険しくし、その黒煙の中の暗い闇を睨みました。決して自分は一言も口から漏らすまい、決して少年の声を一言も聞き漏らすまい、と肩を怒らせ秘かにその神経を少年の動きすべてに注ぎながら。凍てつくようなその瞬間はでも、そう長くは続きませんでした。なにしろ背後に淡く感じていた微かな船のエンジン音はそうこうしている内になんなくこのペジテに直線的に近づいて、今やそれは大きな轟音となって四辺に響き始めていたのでした。なにか重大な事実を知るべき機会を永遠にあえなく逃してしまったのかも知れない少女はでも、今は自分が苦しみながらも自分なりになんとか最善を尽くせただろうことになぜか、心の奥で小さな安堵を感じるのでした。
船の接近する音に振り向き少女は改めて始めてそれを知るようにして呟きます。
「ブリックだわ…」
それは自分でも思わず、まるで突然起きた単なるささやかな事実かのように口をついて自然に出た自分の言葉の妙な勝手さには少し空恐ろしい思いでした。そしてまだ心の動揺が冷めないままに、少なくとも表情だけは普段の通りに、それから少し当然かも知れないこれからの相談などをしようと心がけながら少年に向きなおろうと少女はしていました。 なにしろ迂闊な判断をすれば無論、ふたりの命に直接かかわる恐ろしいことにもなりうるのですから。ところがその時弾けるように立ち上がった少年飛行士は一言、すぐに少女に見向きもせず言い残してしまうと、途端にそこから一目散に船に向かって駆けだしてしまったのでした。まるで当然のことのように、なにか前もって約束でもしていたかのように。
「仲間の船だ! 降りるぞ、いこう…!」
仲間__________?
なぜ、アスベルは断定できるの? ペジテに、何が起きたの? いえ、なぜ彼らはまだ残っているかもしれないあのトルメキアの軍をまったく恐れていないの?

残念ながら今日はここまでです。
何らかんらで谷はそのあと何らかんら救われます。予言者のおばあさんもいます。脇を固める子供もいます。
「姫様、青い異国の服を着ているの」
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。おお、古き言い伝えはまことであった…!」
青い服の少女は微笑みながらなおも金の光の上を歩きます。生まれたばかりの天使のように。

おわり
0003以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
垢版 |
2022/04/14(木) 21:27:59.585ID:mJpi5OdMa
なんなんこの定期スレ
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