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(’-’*川モシココガノロイノセカイナラノロイガ🗝ソコデハドンナコイ❤ニナルノ❓ショウセツカイテミタオ🐰マタ🍹♪
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0001jc!ダオ
垢版 |
2022/04/05(火) 21:24:11.166ID:ps2md7Dv0
「王蟲まで…」
その名をフとこぼす少女。二人のうなだれた肩にひっきりなしに降りしきる白い瘴気の気の触れたようなその渦は、どうやら明らかにこの二体の王蟲の亡骸、その巨大な影を中心にペジテ全域を既に覆うように飛び散って、それは舞い上がる毎にことごとく踊って笑うかのように決して聞こえない悪魔の歌でなに事か残酷に祝うかのようでした。さながら渦巻く頭上の黒煙は地獄の雪雲。真暗な闇からゆらゆら揺れる炎のように、何度も何度も根気よく湧き出て来ては人をゆっくり闇へといざない、それをフと静かにのみ込んでそれから囁くようなそのいかにも凍るほどに冷たい影ですべてを覆い隠して今はあの強烈な太陽さえ死んだように気配を消しました。
「まさかセンタードームが、食い破られるなんて…」
アスベルは青ざめてその頭を抱えて震えるのでした。世界のすべてを取り返しのつかない漆黒の闇の中へと手放したように。ついに老人のように力なく石段に腰を下ろすと一通りその心をすっかりさいなみ済んだ他ならないその罪の述懐でもするように、しばらく考え込んだあと苦しそうに地面に向けてつぶやき始めるのです。
「ペジテはもう終わりだ。トルメキア軍を全滅させたってこれじゃあ…」
その時少女に免れない衝撃が走りました。
「全滅させた…?! どういうこと、アスベル?!」
あのトルメキア軍を全滅させた________
世界の終わりを暗示する吹雪のような瘴気の中にジッとただ王蟲の巨大な亡骸を見つめ続けていた少女に突然強烈な戦慄が走るのでした。まるで忌々しい暗闇の中に紛れた妖しい敵から足音もなくおもむろにその銃口を背中に突きつけられたような。ゾッとして少女は、意味ありげにうずくまるそのアスベルに向き直りました。美しいその瞳の奥には畳みかけるような、冷たく煮え切らないような、既に傷ついてそれが化膿したような怒りが宿って光りました。まるで穢れたものでも見るかのように。
やにわに再び舞い上がる無数の白い胞子は止めどない真っ黒に煙立ち込める雪雲そのもののように頭上に君臨する異様に重々しい空に風もなくふわふわと吸い込まれて、やがてそのコントラストの隙間の中からかつて少女にも聞き覚えのある少し鈍い重いエンジン音が妙に風に漂うように悲し気に、徐々に徐々にこちらに接近して漏れ伝わるのでした。それはそこかしこでまだ小さな火のはぜるその音にすら紛れるとてもささやかな、実にまだ小さい今にも消えるような音でした。言い知れない深い失望によってかうずくまったまま地面を見つめ続けるアスベル。接近して通り過ぎたらそれきりだろうこのブリックの音にはまだ気づけてはいないよう。

残念ながら今日はここまでです。
何らかんらで谷はそのあと何らかんら救われます。予言者のおばあさんもいます。脇を固める子供もいます。
「姫様、青い異国の服を着ているの」
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。おお、古き言い伝えはまことであった…!」
青い服の少女は微笑みながらなおも金の光の上を歩きます。生まれたばかりの天使のように。

おわり
0003以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
垢版 |
2022/04/05(火) 21:28:04.110ID:tAEUDxaz0
笑いあり涙あり
0004jc!ダオ
垢版 |
2022/04/05(火) 21:31:11.638ID:ps2md7Dv0
>>3 (’-’*川ドウゾ☕🍩♪
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