俺「本当にあるのか?」木之本桜「小学生の時ここで手に取って読んだ覚えがあるんだけど…」
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「カード達にも手伝ってもらった方がいいんじゃないか?」
いくら木之本家の書庫がそこまで広くないとは言え、2人がかりでは骨が折れる。そう思っての提案だったがさくらは「すぐ思い出すから、ちょっと待って!」と頑なにカードに頼ろうとしない。
「しょうがないな…」
諦めて本を探し始める。会話が途切れたので、ふと小狼は今の状況を頭の中で整理した。
(ここは地下の薄暗い書庫で今はさくらと俺以外には誰も居ない……)
健全な男子高校生がこの状況を意識しないはずがない。下半身に血が集まって行くのを感じる。
(!?まずい、すぐに収めないと……!) こんな事でさくらに幻滅されてはたまったもんじゃない。ひとまずトイレに行こう。トイレに行ってくるという旨を伝えるためにさくらの肩を叩こうとした瞬間、
「ねぇ、そっちはどうかな」
勢いよく振り向いたさくらと正面から相見えてしまった。予想しなかった出来事にすぐに身動きが取れない。終わった……諦めてさくらの次の言葉を待っていると
「あ、小狼君ポケットに入ってるの懐中電灯?一応持ってきてくれたんだね!でもそんなに暗くないし大丈夫なんじゃないかな?」
比喩じゃなく本気でズッコケそうになった。しかしこれは好機、何がなんでも幻滅されるのは避けなければいけない。瞬時に頭をフル回転させ、
「あぁ、邪魔になるだけだから上に置いてくるよ」
なんとかそう返すことができた。言い終えたと同時に踵を返し勢いよく1階に戻った。
「疲れた……」 「あんなに急ぐことないのに」
大急ぎで上の階に上がって行った小狼に疑問を覚えるさくらはふと先程のやり取りを思い浮かべていたた。
(あの懐中電灯、なんか位置がおかしかったような…)
ポケットに入っているならズボンの側面にその形が浮き出るはず。しかしあれはどちらかと言うとズボンの正面に形が浮き出ていた。
少しの間、目を瞑って考える。そして、理解した。
「ほえええええ!?///」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています