外来ニシキヘビの卵を食べるボブキャット、初めて撮影、米国
争う様子の写真も初、激増する外来種への適応を専門家らは歓迎

2022.03.13
米国のフロリダ州南部で、在来動物のボブキャット(Lynx rufus)が外来種であるビルマニシキヘビ(Python bivittatus)の巣を荒らし、卵を食べる様子が自動カメラで初めてとらえられた。一連の写真は、州南部に広がる湿地帯「エバーグレーズ」にあるビッグサイプレス国立野生保護区で2021年6月に撮影された。

 この数十年間、フロリダ州南部では外来種のビルマニシキヘビが激増しており、特にエバーグレーズで顕著だ。だが、ビルマニシキヘビは非常に見つかりにくく、追跡も難しいため、詳しい行動や生態系への影響の全体像はいまだ明らかになっていない。(参考記事:「フロリダ最大のヘビは外来種ニシキヘビ」)
 今回撮影された写真は、エバーグレーズの在来動物が外来種に「反撃」している様子を目に見える形でとらえた初めての記録でもある。

このオスのボブキャットは、たまたま無防備だったビルマニシキベビの巣を見つけ、興味深そうに匂いを嗅ぐと、数個の卵を食べ、数十個を踏みつけた。そして、次回のために取っておこうと、落ちていた枝などで巣を覆い隠して立ち去った。

 しばらくしてボブキャットはこの巣を再訪するが、あいにく巣に戻っていたヘビと鉢合わせしてしまった。写真からは、全長4メートル強、体重約40キロのメスのビルマニシキヘビが攻撃の構えを取り、体重9キロのボブキャットに飛びかかったことがわかる。ボブキャットはかみつかれたかもしれない。ボブキャットも負けじとヘビにパンチを繰り出した。
ボブキャットが爬虫類の卵を捕食することは知られていたが、ビルマニシキヘビの卵を食べることは今まで確認されていなかった。また、ボブキャットとビルマニシキヘビが争う様子が記録されたのも、今回が初めてだ。

ナショジオ
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/031100113/?ST=m_news