(’-’*川オフロバデモエロクナイトエロクナイ🌋ショウセツカイテミタオ🐰プリッ♪
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0001jc!ダオ
垢版 |
2022/03/09(水) 21:22:20.413ID:Oqfeb87N0
「不時着しようとしてる…! 」
見張り台に応じる声はありませんでした。一体、なにができるというのでしょう。少女は鋭い目で振り向きます。
「ゴル、上げて…!」
「え、ええっ…!」
きわめて素朴な驚きが無造作にかえりました。その他にはなにももうないように、まぶしい光の中はきわめて行儀が良いようにしてなかば静まり返って少女だけを見守りました。そしてそそくさと、やがて急にあわて出すのです。それらをまたすべて背中にして、少女はすでに妖しく輝き静かにひかえるメーヴェへとその手を掛けていました。
「姫さま、むちゃじゃ…!」
城小父は黙ってられません。少女はでも、既に機上の人でした。
「海岸沿いに誘導する!」
それだけいうと、メーヴェが素早く立ち上げられてその鋭く能弁なエンジン音を唸らせました。
「テト…」
驚いたことにエンジンの振動に取り込まれた今にも飛び立つその少女の肩にひょいと身を投げ出して飛び乗るテト。どこから来たのかその目は悪戯そうに輝いています。
「ぇエイッ、いきますぞ…!」
器用に木で組まれたメーヴェの専用打ち上げ台は風の真ん中に包むように優しく、まるで添えるようにその翼を乗せます。見張り台のすぐ上であでやかなほどに輝いて、少女は翼で見事にその風をとらえました。
メーヴェは風をよくなだめてその上によくはばたき滑りました。それは実に、平和な夜明け前の谷にめぐって幸せな夢のしじまにも白く美しい輝く翼を誇るよう。
一方のトルメキアの大型船は視界のすぐれない、この少々冷たくからみつくように果てなく黒い夜風の中に息を殺して漂っていました。重力と衝撃、すなわち他ならない確かなひとつの死に備えるように。悪夢の中、魂を何者かに追われるようにおびえながらその速度を殺しきってその身をおずおずただ闇に潜ませ物々しく軋ませて。その轟音に包まれた果てない姿はたとえ闇夜の中に溶け込もうとももはや探す必要はなかったでしょう。少女はすぐに、この巨大な姿に手を触れられるまでに近づくことができました。
軽快なメーヴェはスキップをするように、あるいはうやうやしく誘うようにして、このひょっとして気の触れたような巨大で黒い幽霊のようでいて馬鹿に旧そうな船に近づきました。どうでしょう、この見事に身動きもしないような巨大な船体に取り返しのつかないひっそりとしたひとつの死の呪いの兆候はもうよく調べる必要もなく、ひと目で少女の目には認められました。そして少女は思わず呟くのでした。
「なんてこと…!」
大型船は夢遊病の老人のように、なにかやにわに見つけたように速度を速めました。一度、メーヴェはそのジェットを吹かして速度を取り戻します。その瞬間、噴射光に白く照らされた古い船体の中に浮かぶ青くなってうろたえる幾つもの絶望の影。少女は戦慄しました。
「腐海におりて蟲を殺したんだわ…!」
もはや無残に破られたその操縦室の風防から一発、二発とまたつつしまやかな銃声があまりにも空しくこの黒い大空に響いていました。その強迫的な鋭い火薬の光の中にもまた蠢く無数の巨大な幼蟲、そのいかにももてあそぶように妖怪じみた泡立つような鼠色の群れ。少女は気付きました。不気味に静まり返った目の前の山肌までもう、露ほどの猶予もないことを。
「舵を引けー! 舵をー!」

残念ながら今日はここまでです。
何らかんらで谷はそのあと何らかんら救われます。予言者のおばあさんもいます。脇を固める子供もいます。
「姫様、青い異国の服を着ているの」
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。おお、古き言い伝えはまことであった…!」
青い服の少女は微笑みながらなおも金の光の上を歩きます。生まれたばかりの天使のように。

おわり
0003以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
垢版 |
2022/03/09(水) 21:23:25.966ID:mKawR1N20
泣いた
0004jc!ダオ
垢版 |
2022/03/09(水) 21:32:37.726ID:Oqfeb87N0
>>3
(’-’*川ワタシハデビューカブデソンギリシマシタヨ🐰👼ドーゾ☕🍨📺I🔥I♪
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