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題名「見えない魔女をつかまえるはなし」
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0001夜中だからな・・・
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2022/03/02(水) 00:10:56.624ID:pxHeOMPf0
かちっかちっ!

私「火ーつかないかー」 

にゃーにゃー

私「焼き芋やけたかにゃー?」

私「まだであります!曹長どの!」

私「そうか!引き続き頑張ってくれたまえ」

私「はぁー。なにが魔女だ・・・」 
  
私こと魔女探し隊隊長(仮)は魔女が出ると

噂の広い湿地帯に出向いている。

しかし噂では”火事”が起こったときに

姿をあらわして願いをかなえるというものだった。
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2022/03/02(水) 00:11:55.304ID:pxHeOMPf0
しかし当然ながら枯れ木もない家など遠い

つまりデマなわけだったってことだ

しかしここで帰ったとなれば隊長(仮)の名折れ!

なわけではないけれどとにかく火を起こして火事に

”みせかければ”いい。

私「魔術の本に書いてあったっけ。魔術の本髄は

世界を”だます”ことにありって」
 
ふー。息を吐きながらでも思うことは同じ

(詐欺師最強説!)
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2022/03/02(水) 00:12:50.761ID:pxHeOMPf0
実際その手の世界に詐欺は多いらしい

なんでも半端ものは割を食う。らしい

にゃーにゃー

私「隊長......もうだめであります......」

私「馬鹿かニャー。隊長は貴様ではないかニャー」

私「はっ!そうかそうだったつまり......

いつやめようと私の勝手ってことさ!」 
  
火打石なのかもわからない白い石を地平線の彼方へ

放り投げ帰宅する意思をかためた私ちゃんだった
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2022/03/02(水) 00:13:49.085ID:pxHeOMPf0
私「ただいまー。」

私「おかえりー。」 
 
私「ご飯にする?それともお風呂?そ・れ・と・も私?」

いってから気づいた。私お風呂もご飯も用意してないじゃん・・・

私「レンチンしか勝たん!」

最近話題に上ったアニメの台詞を吐いた

チン!

私「さて、できたか」

私は天涯孤独のマイレディ・・・とはいかない
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2022/03/02(水) 00:14:17.692ID:pxHeOMPf0
実際両親はいないし友達もいない

しかしてその実態は!

・・・拾われたのだ。

ある男に。

そう!忌まわしきその名は!

「うん?帰ってたのか」

私「あっ!秋!」

秋「呼び捨てはやめなよ?一応家主だからね?」

私「ですが、秋は秋で・・・」

秋「はいはい。からあげあったかな・・・」
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2022/03/02(水) 00:15:10.937ID:pxHeOMPf0
そう!この方こそ秋!

なんと季節の名を冠し”終わることのない秋”

をもたらした救世主様なのだ!

すべてを語るにはまだ早い・・・そういうことだ。

私「秋のからあげをください!」

秋「あっためれば?まだ2個残ってたよ」

私「秋〜。最近の秋は寒いです〜!」
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2022/03/02(水) 00:15:54.336ID:pxHeOMPf0
これは私たちにだけ通じる冗談である

秋は寒い季節。秋が冷たくすることを”さむい”という

秋「そうだ。明日の弁当代そっち持ちだからね」

私「!!。そ、そんな!お代官様・・・税が厳しゅうございます!」

秋「私ちゃん。」

秋が急に真面目なオーラをだしてきた

秋「僕が私ちゃんを引き取るときにした約束覚えてるよね?」

私「もちろん!三食昼寝つき家賃は払わなくていい!」

秋「・・・」

私「・・・その代わり食費の半分を働いて出す。

それが最大限の譲歩。だったよね」

秋「わかってるんならいいんだ。学生でもアルバイトはできるからね」

私「あ、秋。でさ?いつもの”あれ”やってほしいんだけど・・・」

私「いやだったらいいんだよ・・・!?でも私もお年頃、だからさ?」

秋「しかたないな。最大限の譲歩。にこれを含むって

詐欺まがいのことするくらいだから私ちゃんは中毒だな」

秋「じゃあ隣の部屋で。いつもどおりに。」

私「コクッコクッ!」頷く
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2022/03/02(水) 00:16:40.350ID:pxHeOMPf0
秋「はあーさてと次の患者さんは、

私ちゃんかー私ちゃん入っていいよ」

私「は、はい・・・」

秋「今日はどうなされましたか?」

私「はい・・・胸にキムチが刺さってる感覚がありまして」

秋「ふむふむ」

私「これは命にかかわる重大なしっぺーが

隠されてるのではないかと不安になり来た次第です・・・」
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2022/03/02(水) 00:17:03.634ID:pxHeOMPf0
秋「では心臓に異常がないか音を聞いてみます。いいですか?これは治療

すくれぐれも勘違いしてはいけませんよ」

私「はい。」

私は目を閉じてその聴診器に意識を馳せた

聴診器が体の熱を奪っていくのがありありとわかる

聴診器は一度音を聴いた場所をもう一度聴くことはない

その一期一会の感覚に酔いしれる

聴診器が一巡し終わると
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2022/03/02(水) 00:17:27.595ID:pxHeOMPf0
秋「ふー。異常ありませんでしたおつかれ」

私「・・・」

私の体温が高くなっている

秋だというのに汗までかいている

私「でもうれしかった。秋の

その銀色に輝く触手で蹂躙されるなんて・・・」

秋「お薬出しときますね」

私「そういえば秋さ?」

秋「なんですか?座薬はまた今度にしてください」

私「ううん。そうじゃなくて。今日のアルバイトの内容聞いてる?」

秋「いや。きいてないよ」

私「デスヨネー」
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2022/03/02(水) 00:17:46.919ID:pxHeOMPf0
秋に知られないことはわかってる

でも不安なんだ

秋が壊れることなんてないよね・・・?
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2022/03/02(水) 00:18:54.753ID:pxHeOMPf0
ジー。ジジっ。ジー。

映写機が秋の映像を映してる

『では秋ちゃんはこれから起きる結末を知ってるのかい?』

『―――ーーー―――』

『そうかいなら教えてくれないか?なぜ―――』

私たちは滅びなければならないのかを―――
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2022/03/02(水) 00:19:20.898ID:pxHeOMPf0
ジジッ!ジー。

映写機が違う場面を映す

『指圧?そうだね。指圧によって一時的に

体温が上がる場合がある。

それはつぼを押すことによるものではないと

されている。つまりなにか?それは気による

ものだとされている。君の身元引受人。

ええーとなんだったか。その人が気を使って傷を治した?

ははは。冗談はよしてくれ。でもそれがもし本当なら

・・・解剖してみる価値はありそうだ。

ははっ。もしもの話だよ。』
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2022/03/02(水) 00:20:02.827ID:pxHeOMPf0
ジー。ガタッ!

なぜこんなことをしてしまったのだろう

なぜ人は悔いて過ちを認めることを拒むのだろう

今は永遠に終わることのない秋

つまり生き物が死せる大地なのだ

私だって無事でいられなかっただろう

彼に元気を分けてもらってテンションを

無理やりにでも高く保って

ぎりぎりのところで踏み止まっていたんだ
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2022/03/02(水) 00:20:38.409ID:pxHeOMPf0
しかしもはや彼に元気を貰うのは難しいだろう

真実を知って、あの部屋からでた彼が知ったのは

絶望だけだった

『ねえ・・・やめよう?秋。外のことなんて知らん振りしちゃえ』

『だめなんだ。僕たち二人だけ生きてるのが事実かを確かめないと』

『もし。もしだよ?それで秋が壊れちゃったら私・・・』

『なら退いて欲しい。』

『・・・』

秋が外に出る


その先に広がっていた景色は―――
―――真っ赤な雪が降るだけの一面の大海原でした。

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