X



(’-’*川シチナンモナイトオモウケド🐰✨ショウセツカイテミタオ🍹マタ♪
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001jc!ダオ
垢版 |
2022/01/24(月) 22:22:25.427ID:xxwIjSap0
人々の顔にはにわかにあたたかい、でも機械と人為的な臭いがひどい鼻をつくような妙に強くって蒸す草の混じった蒸気の中で、ほんのりと頬に赤みを萌してほとんどすべての谷の集まった誰もがその瞳をただ熱く大いに潤わしていました。昨夜はさぞかしこの美しく透き通るような白い、面と向かえば誰もが恋心を抱かざるを得ないような活発な可愛らしい少女の迎えるだろう胸にフとよぎる顛末についてさんざん自由に話し合って想いをめぐらせて心を寄せたことでしょう。それから、幾つも爆音が上がると、それで巨大な飛行戦艦がうなりを上げてあらためて人々の頭上の周りに幾つも幾つも聳え立ちました。その艦隊には谷の輸送船、小さなパージも付け加えられています。そして今、美しい少女がひとり毅然と人質としてトルメキアの巨大戦艦に乗り込みます。後ろに付き従う城小父ミト。肩にはテト。
「ひめねえさまー!」
小さな娘たちも叫びながら駆け寄ります。やはりどの眉根も不安に歪み、瞳の奥底から涙に揺れて溺れるよう。不意をついたこの可愛いらしい小さな闖入者たちをとがめられるものはそこにいませんでした。
「これ、皆で集めたの」
「クコの実…」
「ひめねえさまにあげます」
小綺麗に紐で結ばれた小袋にナウシ●は驚きました。幽霊の国で幼い別の自分の姿を見つけたような、運命やくだくだしい絆のようなものに信じられていたものをまったくおざなりにされた少しく残念な、呆然とほとんどヒステリーというべき固く凝りかたまった悲しい心もちで氷のようになっていた表情に、どこかなにごともなげないつもの調子の少女の少女らしさが瞬く間に心底華やいで、そうして死や病や不人情の影が瞬時谷からなんとなく遥かなものと感じられました。少女は娘たちに寄り添ってしゃがみます。
「皆、こんなにたくさん…、大変だったろうに…」
そこまで言われると、激しい痙攣を起こしたように娘たちはそろって大声で泣きだして、すぐに少女の胸に飛び込みました。そうするうちに四人はほとんど時を忘れて、ほんのしばらくの間お互いの涙を涙で迎えました。
「…ありがとう。大事に食べるからね」
「ひめねえさま…」
「ひめねえさま、かわいそう…」
すると、物々しい合金の薄暗い船内から頑迷な鉄仮面でそろいもそろって神さまからこそ姿を隠すようなトルメキア兵の男が、鉛のように人間味のないガサツな仕草で顔を出すとひどく乱暴に口をさしはさんで言いました。
「乗船を急げ! 出発だ!」
四人はあらためてお互いの顔を見合わせました。悲しさも恨めしさもなさげに、少女は娘たちの真っ赤に燃えるような目の奥にある生々しい心の健やかな悲しい躍動に青ざめた顔にも嬉しさのあまりそっと口づけするようにふたたび口を開きます。
「さあ、いい子…、もう皆泣かないで、ね。」
0002jc!ダオ
垢版 |
2022/01/24(月) 22:23:09.692ID:xxwIjSap0
「ひめねえさま、だいじょうぶ?」
なんでもないことのように少女は、したがってあたかも遊覧飛行に出るような微笑みで応えます。本当はいかに不安なことであったでしょう。
「だいじょうぶよ。わたしならすぐに帰ってくるわ」
「…ほんとに?」
なんていう魂の喪失感。これが引き裂かれる想いというものでしょうか。少女は胸を熱く、微笑を寂し気に、優しく共鳴するようにさらに輝かせました。
「あら…? わたしが嘘ついたことあった?」
「ない…」
娘たちはすぐに応えました。どこか待っていたかのように。
「…ね?」
「…うん」
「ほんとに?」
少女の華やぐような同じ笑顔がほっと赤らめ、ちょっと春を迎えたように少しずつ増えていきます。
「うん。じゃ、ほら、あぶないから」
「うん!」
少女たちは心底嬉しそうな背中を見せてちょこちょこかけて振り向きます。
「きっとね!」
大きな声がピタリとそろいました。ナウシ●は静かに、微笑とともにその手を谷へと何度も何度も振りました。鋼鉄の扉の後ろは全くの闇に感じられます。涙があたたかく、少し促すように案内するのを感じて少女はその冷ややかな闇へとおとなしく吸い込まれました。それからあとはもみくちゃにされながら、しばし涙と震える少女がおりました。小さな小さなテトとともに。
トルメキア艦隊は一艦ずつ空へと離れました。小さなパージは左右から巨大な船に挟まれてまるで唯一艇、今間違いのない死の旅立ちをしようとしているかのようでした。
「姫様を頼むぞ!」
「谷を忘れるな!」
民たちはそれでも大声とともに、しばし草原に並走しながら涙もなく、それをただただ見送るしかできませんでした。老婆やユパも静かに見上げる空、艦隊は大きく旋回し王城の空を遠く遠く後にしました。

残念ながら今日はここまでです。
何らかんらで谷はそのあと何らかんら救われます。予言者のおばあさんもいます。脇を固める子供もいます。
「姫様、青い異国の服を着ているの」
「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。おお、古き言い伝えはまことであった…!」
青い服の少女は微笑みながらなおも金の光の上を歩きます。生まれたばかりの天使のように。

おわり
0003以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
垢版 |
2022/01/24(月) 22:24:35.718ID:0LWc6vxwa
文字いっぺんに書き過ぎって言ってんだろが
0004jc!ダオ
垢版 |
2022/01/24(月) 22:26:38.080ID:xxwIjSap0
(’-’*川スコシヨフカシニナリマス🐰タスケハヒトノタメナラズ🛀プルッ♪
https://imgur.com/gallery/ElOSVMH
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況