生活保護訴訟の判決文、コピペ疑惑 3地裁で同じ誤字。最高裁「調査は考えていない」

生活保護費の基準額を引き下げた国の処分取り消しを求めた集団訴訟で、原告の請求を退けた金沢、京都、福岡地裁の判決文に同じ誤字があることが16日、分かった。原告側弁護団は、判決文をそのまま引き写す「コピペ」をした疑いがあると指摘している。最高裁は判決理由の書き方に関し「一般的な取り扱いを定めたものはない」としている。
 問題の誤字は、引き下げの根拠としたデータに関する部分。5月の福岡地裁判決は食費や光熱費を補助する「生活扶助」で支出されない品目として、正しくは「NHK受信料」とするのを「NHK受診料」と記載。9月の京都地裁判決、11月の金沢地裁判決でも同様の判断が示され、いずれも「NHK受診料」と記載した。
 弁護団は大阪高裁で係争中の訴訟で、各地の判決文の類似表現を指摘する準備書面を11月に提出。3地裁以外で請求を退けた札幌地裁、名古屋地裁でもコピペが疑われる箇所が複数あると主張している。
 最高裁は「個別の裁判の内容は回答できず、調査は考えていない」としている。16日午後には神戸地裁で7件目の判決が言い渡される。

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