――自伝では自転車泥棒の話が多く出てきますが、あなたの人生の転換点になりましたか。虐げられる立場から、加害者の側に回ったと。

「いや、僕は若くて愚かだった。すべては生きるためにやったことだ。移動のために自転車が必要だった。盗むことでなんとか状況を良くしようとした。自分の自転車を盗まれたときも、人から盗むのを止められなかった。でもそれは、自分で買う金がなかったからだ。決して褒められることじゃないけど、生きていくためには仕方がなかった……。少しでもよくなろうと思ってそういうことをする、違うか?」

――今日ならば、ズラタン少年に与えるために、あなたはサッカーから何を盗みますか? 

「何もない。彼にはただこう言いたい。『忍耐強くあれ』と。一生懸命に働くことだけが状況を改善する。僕もかなり努力はしたが、あまり忍耐力はなかった。すべてを短時間のうちに変えたかった。だからこう言うよ。『ズラタン、我慢しろ。このまま働き続けて自分を信じろ』と」

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