停滞の原因

こうした輸出停滞の背景として次の4点が指摘できる。

第4が日本の製造業のグローバリゼーションの影響である。在外日系企業による販売調達の現地化の進展が、日本からの輸出を代替していると思われる。経済産業省の資料によれば、在外日系企業による売上高のうち現地市場販売の比率は、2000年度の70%から2020年度では54.2%に下落している。日本向け販売(輸出)は10.9%から10.5%とほぼ横ばいであるが、アジアや北米市場向け販売(輸出)が拡大している(表2)。在外日系企業の拠点は、現地市場販売の比率を低下させ、かつ日本向け輸出は伸びていない。拡大しているのは、第3国向け、特にアジア向け輸出である。こうした海外拠点からの輸出は、日本からの輸出を代替しているものと推測できる。

他方、仕入れ額では、現地市場調達の比率が2000年度の45.6%から2020年度に62.7%に上昇している。部材調達の現地化が進んでいる。このため、日本からの輸入に頼っていた部材調達の比率は、2000年度の38.5%から2020年度には22.8%に低下している。日本調達から現地調達に切り替わった影響は、日本の輸出を減少させることにつながっている。

日本の製造業の海外展開が日本からの輸出を代替する方向に働いているといえよう。

ほらな、メイドユアカントリー精神のせいだ