睡眠の研究で今、「最もノーベル賞に近い」と評される学者が筑波大学にいる。睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授である。学生時代から不眠に悩まされてきたという59歳のジャーナリスト・横田増生氏が、その快眠メソッドを学びに門を叩いた。

「睡眠時間が6時間以下でも問題がないという、真正のショートスリーパーもいるにはいますが、それは数百人に1人程度で非常にまれです。自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足であり、そのことに気づいていない人たちです。

睡眠を削ってでも勉強したほうがいいという一昔前までの考えは、まったく間違っています。先に述べた通り、睡眠不足だと脳のパフォーマンスが落ちるのに加え、睡眠には記憶を整理して長期記憶として定着させる働きがあることが分かっています。また、眠ることで洞察力がつき、それまで見えてこなかった物事のつながりなどが見えてくるという実験結果もあります。眠る時間を削って勉強するのは、科学に反したやり方なのです。

 さらに寝すぎという言葉は誤解を招きます。人は必要以上に眠ることはできないようになっているからです。自称ショートスリーパーも、受験生も、1時間でも2時間でも多く眠るほうが、良い結果につながります」

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