そういう子はすぐにわかる。レッスン場でも色目を使ってジャニーさんのほうへ擦り寄ってくる。

[早く僕を誘って」と言わんばかりに。ジャニーさんはそういうタイプを目ざとく見つけだす。

「あいつ、もういらない。やめさせて」と、スタッフに告げるのを、僕も見たことがある。それ以来、その子は来なくなった。そういった、合宿所に行きたいと目を輝かせるジュニアたちは、僕をいつもうらめしそうな目で見ていた。「あいつ、もうすぐデビューだ」僕がされていることを、みんな知っていた。