神奈川県伊勢原市の酒造会社「吉川醸造」が販売する日本酒「雨降(あふり)」が、ラーメンチェーン店「AFURI」から商標権を侵害しているとして提訴された問題が論議を呼んでいる。
両社の「あふり」の由来は、地元で愛される山の別名だ。その土地にゆかりがある両社が、その土地の美しい山の呼称をめぐり争いになった事態。山に鎮座する古社「大山阿夫利神社」の関係者は複雑な胸中を語る。

 2200年以上前に創建されたと伝わる「大山阿夫利神社」だ。一帯は多くの観光客でにぎわう神奈川県有数の観光地である。

「『あふり』という名が今まで通り、地元をはじめ多くの人に親しまれるものであってほしいと切に願います」と複雑な思いを話すのは、その大山阿夫利神社の広報担当者。
なぜなら、今回、騒動となった商標をめぐる両社の争いの根っこは、この地に関係するからだ。