生活困窮者が亡くなった際の火葬代などとして支給される葬祭扶助費の総額が2021年度、全国で約104億円にのぼったことがわかった。厚生労働省によると、100億円を超えたのは、統計の残る1957年度以降初めて。生活に困窮する独居高齢者や故人の引き取りを拒否する親族の増加が背景にある。多死社会における公的支援のあり方が問われている。

 葬祭扶助は、遺族が困窮していたり、身寄りのない故人がお金を残していなかったりした場合、遺族のほか、親族、家主や民生委員ら葬儀を行う第三者が自治体に申請すると支給される。