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漫画のプロット没にしたからここで供養する
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2023/08/28(月) 23:04:33.204ID:zq/bMV500
供養


その1
奏太が赤ん坊の頃に両親が離婚した。奏太の親権は父に、姉の千鶴の親権は母に渡った。
以来、母と千鶴の二人と会うことは一切なかった。二人が今どこにいるのかも不明で、赤ん坊の頃に別れたので顔も知らない。

奏太は一家団欒というものに憧れていて、いつか再び家族が揃うことを夢見ていた。家族なんだからどんな苦難も乗り越えられる、じきに冬を越せると信じていた。

しかし19さいのクリスマスに、父が急逝してしまった。母と千鶴は葬儀に参列してくれなかったので、奏太は天涯孤独の身になったと感じた。

一人で暮らし始めた奏太の元に、SNSを通じて千鶴から連絡がくる。二人で食事する運びとなり、奏太はなぜかデートにでも行くような緊張を覚えた。

赤ん坊の頃以来に再会した千鶴はとても綺麗だった。周囲に自慢したくなるような人だったので、正直なところ奏太はときめいてしまった。
別れ際に、千鶴の体に生傷を発見する。千鶴は母から日常的にひどい虐待を受けていた。
奏太は親戚に相談しようと提案するも、千鶴が拒絶。両親の離婚の原因は千鶴にあり、親戚から目の敵にされてるからだという。父の葬儀に参列できなかったのもそれが理由で、奏太には初耳だった。
昔から『家庭が崩壊したのは千鶴のせいだ』とだけ母から言われてきたので、実のところ千鶴にも詳しい事情はわからないという。
母を「怒ると手がつけられないだけで普段は優しいから」と弁護する千鶴を見て、奏太は彼女の目を覚ましてやろうと決意した。奏太が思い描く家族というものは…何があっても家族を傷つけたりはしない。
奏太には千鶴が雪の結晶のようにもろく繊細で美しい存在に思えた。姉を守れるのは自分しかいない。

奏太の思いに心を打たれたのか、千鶴は奏太の胸に顔をうずめてきた。
奏太は、気づけばベッド上に導かれていた。千鶴はかなり手練れていて、何人も男を知っているような印象だった。
千鶴はほぼ知らない他人みたいなもんだが肉親だ。とはいえ、奏太は誘惑に抗うことができずその後何度も千鶴と逢瀬を交わすのだった。
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2023/08/28(月) 23:05:06.767ID:zq/bMV500
その2

やがて、千鶴は奏太の部屋に居座るようになったが、母が心配するからと必ず晩には帰宅した。
奏太は千鶴の様子に違和感があった。どんどん千鶴の心が壊れていってるように見えた。千鶴は独り言が多くなり、特に母への憎悪が溢れていた。
千鶴の体に傷や痣が増えてきたのに気づき、奏太はついに一緒に暮らそうと説得を試みた。だが千鶴はそれを拒否し、しばらく奏太の元を訪れなくなった。

奏太はついに母と対峙する決心をした。千鶴が自分の元から離れたのは、母が千鶴に何かをしたからだと案じたのだ。千鶴を救い出さねばならない…。
まずどんな人物なのか様子を見てみるために母が働くスーパーへ行くと、それらしき人がレジを打っていた。母は奏太に気づかず、普通にお会計をしてくれた。
複雑な気分でいると、つり銭の渡し忘れがあり母が外まで追いかけてきた。その時、奏太のシャツのえりが立ってることに気づいて直してくれた。

様子を見るだけのつもりがちゃんと話したくなり、母のシフトが終わるのを待った。母は奏太の待ち伏せに驚いていたが、奏太は実の息子だと名乗ると、ファミレスでの夕食に誘ってくれた。母は電話で千鶴も誘おうとしたが応答がなかった。

母からは初めて千鶴と会った時のような美しさを感じた。とても虐待するような人とは思えなかった。
母は何度も謝罪してきた。気づけなくてごめんなさい、今まで会いに行けなくてごめんなさい、そして奏太と父を裏切ってごめんなさい、と。
謝られ過ぎるのは気分が悪いので咎めると、母は会いに来てくれてありがとうと言い直した。その瞬間、母と千鶴と三人で、幸せな家族になれるんじゃないかと思った。同時に、千鶴からはありがとうという言葉を聞いたことがないのに気づいた。

母によると、千鶴とはやはり折り合いが悪いようだ。母は時折千鶴に冷たい言葉を浴びせてしまうことを恥じていた。
千鶴には自傷癖があり、母はそれが一番の悩みごとだった。
奏太は千鶴の傷が目立つ箇所にあったことを思い出した。虐待だとしたら、周囲にバレないように目立たない場所を痛め付けるはずだ…。

母はようやく「お父さんは元気?」と聞きづらそうにたずねてきた。母も父の死を知らなかったのだ。奏太はなぜか父は元気だと嘘をついてしまった。
そのうちまたみんなで顔を合わせたいね、と母と話して別れた。
父も母も素晴らしい親であり、千鶴も不安な部分はあれど大切な人だ。奏太は何故家族がバラバラなのか理解不能だった。みんななら自分が思い描く理想の家族を築くことができるはずなのに。
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2023/08/28(月) 23:05:30.689ID:zq/bMV500
その3
部屋に帰ると、千鶴が待っていた。他の男の所にいたが、すぐに関係が壊れてしまったらしい。
奏太は母と会ったことを伝えると、千鶴は一変し、「奏太の方が死ぬべきだった」と冷たく言い放ってきた。

千鶴は本来は父を誘惑するつもりだったが、死んだとわかったので奏太に狙いを変えたのだった。もし父であれば母に会いに行くなんてことはしなかっただろう…。
何故肉親と関係を持とうとするのかと問うと、「家族なら一番大切にしてくれそうだから」と返ってきた。
お互いに家族を求めていたが、その本質は相交わらぬものだった。
奏太は三人で幸せになろうと説得したが、千鶴は唇を重ねてくることで否を示してきた。
だが「三人で幸せになろうね」と、行動と矛盾した発言を残し千鶴は消えていった。お互いのいう『三人』に解釈違いがあるのではと察して奏太は青ざめた。まさか千鶴は妊娠したのではないか…?
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