大リーグで快進撃を続ける大谷翔平選手。だが日本人の間で「大谷推し」を突然あらわにする人が生じていることに、野球ファンの間では不満が広まっている。
「メジャーに行く前から応援していた側としては、急に大谷ファンをアピールされる人の多さは目障り極まりないです。あの人たち、野球のルールすらわかってないんですよ。話題にする資格なんてないと思います」(野球ファン)
実のところ、本場アメリカにおいても大谷選手の知名度は限定的だ。そもそもアメリカではホッケーやアメフットなど野球に匹敵する国民的スポーツがいくつもあり、関心事が人によってばらけている。とくに若い世代では野球離れが進んでおり、バスケやサッカーの人気度の方が高い。野球ファンで、なおかつロサンゼルスサポーターという限られた人たちだけのマニアックな熱狂というのが事実だ。

このような現実実態を無視した「話題性があるときだけ乗っかる」日本人の一部の人の存在が目障りだと物議になっている。去年来のプーチン政権のウクライナ侵攻後の「ウクライナ推し」もその1つだ。
Twitterを見ると、ウクライナ国旗をアイコンにしつらえ、「ウクライナに栄光あれ」とあいさつのように書き込む人もいる。しかし・・・
「2年前まで日本人は東欧の小国にすぎないウクライナなんて国家の存在自体知らなかったのです。それが急に、「私こそがウクライナの理解者」という面をして、ゼレンスキー大統領にかぶれた物言いをする。「出羽の守」的な振る舞いも目に余りますが、そのとってつけた感が不気味そのものです。ロシア文化をずっと愛してきた私がそんな奴らに叩かれるのは不本意そのものですよ」(ロシア雑貨愛好家)

こうした人たちはほかにもいるようだ。Jリーグの地元球団も知らずにサッカー日本代表の試合だけを見る人、将棋の指し方がそもそも分からないのに藤井聡太七冠の動向をいちいち口にする人、ソーシャルゲームの業界ではポケモンGOが社会現象になった時にだけアプリを入れてその後すぐに飽きてやめた人も大勢いた。さらにはパワハラ問題があったことも知らないのに泉房穂前明石市長を熱狂的支持する「政治厨」もいる。内部に問題を抱えた存在でもポジティブな話題性さえあればオッケーと全部許してしまうのである。


「どのような物事にもマイナー時代は必ずあり、本来ファン・支持者というのはその時点で存在を知り、伴走者として応援して一緒に支えて大きく伸ばしていくものです。しかし、過程をすっ飛ばして勝ち馬に乗りたがる。別のトピックができればそっちに飛び移って「ヤリ捨て」し、今後伸びていくであろうまだ成長段階の状態のときは目にもとめず、もしその存在に気づいても幼稚だと蔑視して切り捨てる。そういう浅はかで傲慢な心情の持ち主は嫌われて当然なのです」(心理学ウォッチャー)
話題性にだけ迎合する薄っぺらで胡散臭い人たちが後ろ指を指される世の中になった方がよほど健全なのだ。