https://www.tokyo-np.co.jp/article/261541

マジで何様なの??

 「議論が進むのはいいが、現場としては、粛々と法律に沿った形で拘束する。当然じゃない?」
 過去20年で拘束件数は2倍に増えた。
 「増えた増えたって言うけれど、厚労省が発表しているのは数だけ。病名や性別、年齢も発表していないから、具体的にどういう疾患で拘束が増えたか何もわからないの」
 年齢や性別、疾患はこの場合、関係ないのでは。
 「関係なくないよ」
 どんな疾患でも、拘束されたことに変わりはない。
 「中身の分析がなければ数字に意味がないって言っているの。拘束の数だけ発表してるのって変。分析できないのに答えられない」
 そうでしょうか。
 「精神科病院より一般医療での拘束の方がはるかに多い。知らない? 厚労省の班研究で施設内拘束って6万件あるんだぜ。そっちの拘束をなんで騒がないの?」(軽く机をたたく)
 「拘束しないで、患者さんが逆に自殺したとか、転倒骨折したとかの方が怖い。医師が適切に判断していることをね、診察もしたことがないきみが、あーだこーだって言うのって変だと思わない?」「こっちだってね、好きで拘束やってんじゃない。拘束したら、監査の時にカルテを全部ひっくり返して見られてね、しかも診療報酬全くついてないんだよ、あれ」
 山崎氏は拘束する権限をもつ精神保健指定医だ。
 「拘束? してますよ」
 心は痛まないのか。
 「はあ? 治療の一環で拘束しているわけで、それを全然現場を知らないきみが土足で入ってきて、心痛みませんかって何なの? 失礼だよ」