現地7月2日に行なわれた陸上の『ダイヤモンドリーグ(DL)』第7戦ストックホルム大会の男子400メートル障害に出場した東京五輪8位入賞のアレッサンドロ・シビリオ(イタリア)。ラスト30メートル辺りまで2位につけていたものの、環境活動家による妨害を受け、4位に転落するアクシデントが起きた。

3人の女性がレース中にトラックに侵入し、ゴールから10メートルほど手前で「泥炭採掘禁止」と書かれた横断幕を掲げ抗議。先頭を走っていた東京五輪王者のカールステン・ワーホルム(ノルウェー)は8レーンのため、影響を受けずにゴールしたものの、5レーンを走行していたシビリオは、女性との接触を避けたためスピードを緩めた。その間に2人に交わされ、自己ベストより1秒以上遅い49秒11でフィニッシュとなった。

朝から雨も降り、気温16度と肌寒いなかでのレースだった。シビリオは「何が起きたのか正確には分からなかった。コンディションが悪く、序盤からあまりいいレースは出来ていなかったけど、ゴール付近では怪我を避けるため、歩く感じでのフィニッシュだった」とレース後にイタリア国営放送『Rai Sport』で語ったうえで、「1メートルほど直前に気づいた。もう少し華やかなフィニッシュの予定だったんだけど...」と振り返る。

そして「今日は速いタイムを出すのに適していなかったのかもしれない」と皮肉交じりに口にした彼は、「ダイヤモンドリーグはコース上に人がいるのではなく、花火が上がることを期待していた。人生何が起こるか分からないし、予期せぬ事態に気づかないといけないことも知っている」と悔やんだ。

現在、欧州では環境保護団体が美術館やスポーツイベントなどでの抗議活動が過激化。様々な場所で事件が相次いでいる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/310d48137a4f566a2d8ad786d3019b1c5aea8fae