騎士団長「弱冠9歳で即位した王の護衛を女騎士に任せるぞ」

女騎士「ええっ!?王の護衛なんて私では役不足です!」

団長「確かに重い責任が付きまとう任務だが、ここの団員はすべからくそのような任務をこなしている。しっかり手をこまねいておくのだぞ」

副団長「団長はお前に成長してほしいという心やりで檄を飛ばしているのだ。くれぐれも粗相をして王の琴線に触れることのないようにな」

女騎士「とはいえ農民出身の私に王様の護衛なんて敷居が高すぎますし…」

厳格な騎士「フン…与えられた任務すらまともにこなせないとは失笑だな。団長、女騎士をここに置いておくのもそろそろ潮時ではないか?」

お調子者騎士「そもそもこんな子を採用した団長さんは奇特だよねぇ!もしかして巨乳が性癖なのかな?」

女騎士「な…⁈おもむろに何を言うんですか!」

豪快騎士「ガハハ!下世話な話をするでない!団長、王に頼んで護衛の褒美を受け取り目的地に運びましたぞ!」

団長「おお、終わったか。しかし褒美の前借りを頼んだが・・・まさか王に直接頼み込むとは父に似て破天荒な奴よ」

副団長「運んだのは私だぞ…任務を引き受けておいて女騎士の実家が分からないとは、さてはお前確信犯だっただろう…?」

豪快騎士「ガハハ!いそいそと行動するのは俺には合いませんからな!」

女騎士「褒美の前借り…!?それでは断れないじゃないですか…姑息なやり方です…」

団長「そういう意図ではない、あまり穿った見方はするな。ただ褒美が数十冊の書物だということで運ぶのに苦労するだろうと思ってな…フッ」

女騎士「そんなこと言って顔がにやけてますよ!大体、書物なんて…副団長が貸してくれた本もまだ最初の10ページしか読んでないのに…」

副団長「何だと!ほんのさわりしか読んでないではないか!そんなことだからいつまでも世間ずれしていると言われるのだ」

お調子者騎士「あははっ。女騎士ちゃんは真面目そうに見えて約束とか破るタイプだから気が置けないんだよねぇ」

女騎士「分かりました。そこまで期待されては私もやぶさかではありません。流れに棹さすわけにはいきませんからね」