日本最難関の試験とも言われる“司法試験”。合格率30~40%程度とされているが、司法試験に挑むためには法科大学院を修了するか、事前に合格率3~4%の予備試験に合格する必要がある。

2022年(令和4年)、史上最年少の17歳11か月(受験時)で司法試験に合格した学生が、灘高校に在籍していた仲西皓輝(なかにし・こうき)さんだ。日本数学オリンピックへの出場経験もあるという“理系少年”が、なぜ司法試験を受験することになったのだろうか。現在、東京大学に通う仲西さんに話を聞いた。

「高校1年生になってすぐ緊急事態宣言で学校が休校になりました。今まで理系の勉強しかしてこなかったから、せっかくできた時間を使って法律を本格的に学んでみようと思いました。そうしたらすごく面白かったんです」。

数学にも共通する“論理的に解決できる”ところが好きだったといい、法律の勉強にのめり込んでいく。高校1年生の夏に“高校2年生での予備試験合格”を目標に定めた。

数学研究部は続け、最後は部長まで務めた。部活以外の放課後の時間は法律の勉強にあてた。学校の課題がある日は課題を優先させたため、法律の勉強時間は平均して1日に3~4時間。「写真記憶みたいにパッと覚えられる能力があるわけでもないですし、決まった勉強法もありません」。

単語などは書いて、文章として覚えたいものは声に出して、それぞれ何度も繰り返し勉強したという。空いている時間を使った勉強を重ね、仲西さんは高校2年生の時に予備試験に合格、そのまま高校3年生の時に司法試験も合格した。感情が高ぶる事はあまりないという仲西さんだが、「さすがに司法試験に受かったときはうれしかったですね」と笑顔をみせる。
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