内気で目立たない男子高校生・濱尾浩介は、ある日の放課後、自分とは正反対の強情で目立ちたがりな「ワガママ女王」九藤彩華が傘を忘れて困っている現場に遭遇し、自分の手持ちを貸すことにした。
翌日、傘を返しに来た彩華は「お礼に一つだけなんでも言うこと聞いてあげる」とやたら高圧的に突きつけてきた。そんな必要はないと遠慮する浩介だったが、借りを作るのが嫌だからとにかく何かさせろと凄まれてしまう。
結局、学校帰りにたい焼きを奢ってもらうということでなんとか納得させ、昨日までろくに話したこともなかった彩華と2人で下校することとなってしまった。
高飛車ながら美人な彼女と一緒にいることに恥ずかしさと不思議な高揚感を感じる浩介を尻目に、彩華はいちごクリームのたい焼きを頬張っていた。
お礼を済ませた彼女は、今度は「もう二度と私に話しかけないで欲しい」とまたもや突拍子もないことを言い出す。困惑しながらも理由を尋ねると、顔を真っ赤にしながらこう返してきた。
「……あたし、あんたのこと、好きになっちゃったから。悔しいし、信じらんないけど。あんたみたいな奴、私と釣り合うわけないのに。……だから、これ以上、好きにさせないで!」
そう言い終えると、逃げるように走り去る彩華。驚愕と困惑でしばらくその場に立ち尽くす浩介だったが、次第に勝手なことばかり言う彼女に対する怒りが湧き上がってくる。許さないぞ、あのタカビー女め!好きにさせるなと言うなら、むしろもっと僕を好きにさせてやる!
こうして、浩介を嫌いになりたい彩華と、彩華に仕返ししたい浩介の、おかしな恋の駆け引きの火蓋が切って落とされたのだった。


って話なんだけど
面白そう?