上野:
私の場合、入社前はディライトワークスも『FGO』のことも詳しく知りませんでした。ディライトワークスに来ないかと声をかけられた時、初めて『FGO』のユーザー数やセールスランキングを見て、「売れているゲームなんだな」と知ったのが最初の印象です。それだけ売れているゲームだから、よっぽどハイテクノロジーで、社内にもすごいエンジニアが集まっているんだろうと想像していたけど、入ってみたらそうではなかった。

──そ、そうではなかった……。

上野:
はい、ただそれは良い面悪い面の両方あります。『FGO』のゲーム自体は、極端に高度な技術よりも、こだわりやユーザーファーストの考え方を第一に開発しています。ゲームのエンジニアにありがちなこととして、高い技術を持っていればそれを使いたくなるんですよね。最新の技術を示したいのはエンジニアの欲かもしれませんが、高い技術を全面に押し出すことと、ユーザーが望んでいる内容は一致しないことがとても多いので。技術があることで取れる選択肢の幅も増え、最適な回答を出していく方法を議論しながら選択できるのが『FGO』がここまで成長できた理由だと感じました。