0019以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
2023/04/16(日) 13:44:50.185ID:Hk+rCxHRaトイレはどこにあるんだよ、と聞くと、
海の家の外にあるんだが、
臭いし汚いし、
何より明かりが無いから暗くて怖い、と
そいつは情けない声を出した。
俺はやれやれと思いながらそいつと廊下を抜け、
海の家の玄関までやってきた。
そして玄関の戸に手を掛けようとした時、
突然
「何しよんかあぁ!!」
と大声が響いた。
心臓から口が飛び出しそうになった俺が慌てて振り向くと、
民宿のおっさんが懐中電灯をこちらに向けながら
憤怒の形相をしていた。
「いや、こいつがトイレに……」
と言おうとすると、
おっさんが
「出て行けぇ!!」
と言いながら何かの粉をこちらにぶつけてきた。
塩だった。
俺は訳も分からず
「はい、はい、すんません」
と言いながら出て行こうと戸に手を掛けると、
「お前じゃない!!そいつだ!!」
とおっさんは叫んだ。
俺が混乱しながら突っ立っていると、
突然パチンと音がして辺りが明るくなった。
おっさんが電気を点けたのだった。
と、隣にいたはずの友人がいなくなっていた。
代わりに、
俺とソイツが歩いて来た道筋に、
濡れた足跡が点々とこちらまで続いていた。
「危なかったな。沈められるとこだったぞ」
とおっさんは言った。
おっさんに「もう寝ろ」と言われ、
全身鳥肌を立てながら部屋に戻ると、
俺以外の全員の部員が布団で寝ていた。
抜け出していたのは俺だけだった。