https://news.yahoo.co.jp/articles/b0430c6e44aced59d7c4c009448856361c4fa223
 NHKの放送受信規約が改正され、4月1日に施行される。新たな規約では、受信契約書の提出期限を明確にし、
従来の「遅滞なく」から「受信機の設置の月の翌々月の末日まで」と規定された。

 この期限内に受信契約書を提出しなかった場合と、受信契約の解約や受信料免除について、ウソなどの不正があった場合に、
受信料の2倍に当たる額を割増金として「請求することができる」とした。未払いの受信料を入れると、3倍の金額を支払う羽目になる。

現在の受信料(払用紙で2カ月払いの場合、税込み)は、地上契約(地上放送のみ受信)が月額1275円で、
衛星契約(衛星放送も受信)が同2220円。両方未払いの場合は未納分と割増金で1カ月当たり1万485円を
支払わなくてはならない。年間で約12万6000円もの額になる。

 実は、受信料には5年の消滅時効があるが、NKHは「受信料のお支払いが滞っている分については、これまでどおり
全額請求させていただき、時効の申し出があった場合には、時効を5年として取り扱います」としている。
もし時効の申し出をしなかったら、一体いくらになってしまうのか……。長く支払って来なかった人は気が気でないだろう。

そもそも、NHKとの契約は放送法64条で「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、(略)受信契約を
締結しなければならない」と定められている。

 NHKのホームページには、「未契約の世帯や事業所に対しても、訪問や文書などを通じて受信料制度の意義を誠心誠意丁寧に
ご説明し、ご契約とお支払いをお願いしていきますが、こうした努力を重ねてもなお、ご契約いただけない場合の最後の方法として、
受信契約の締結や受信料の支払いを求める民事訴訟を実施しています」とある。

 過去には大手ホテルチェーンに対し、客室に設置されたテレビの受信料を支払うようNHKが裁判を起こし、19億円超の
支払い命令が確定したケースもあった。

 新たな規約によって、未払いを続けてきた個人や事業者はこれまで以上に“痛い思い”をすることになると専門家は指摘する。

 村松由紀子弁護士「受信契約書の提出期限というルールが明確になったことで、訴訟を起こした場合、今までより短期間で
判決が出ると予想されます。裁判にかかる費用や労力も軽減されるため、NHKにとっては、訴訟手続きに移行しやすくなる面があるでしょう」

 しかし、「テレビを持っていなければ問題ない」という単純な問題でもないようだ。

村松弁護士はこう注意を促す。

「放送法の『協会の放送を受信することのできる受信設備』には、ワンセグ機能付き携帯電話やテレビチューナー付きのカーナビ、
テレビチューナー付きのパソコンも該当するとあり、受信契約の対象となります。テレビが無くても、おとなしく契約した方が身のためでしょうね」