──そうなのですね。では、「『FF16』はアクション要素を強めにする」ということは企画の初期段階で決まっていたのでしょうか?

吉田
完全に初期の段階で決まってました。「僕が『FF16』を担当するならこれかな」と思ってました。
そこはある意味、ゲームデザインの権限を先に握ってしまっている部分で申し訳ないとは思います。
正直、『ファイナルファンタジー』というのは、100%自由には作れないものでもあるのです。
15作目までナンバリング作品が出ている事実をなかったことにはできないですし、色々な世代の人たちがそれぞれのFFに対して思い入れを持っています。
特に、前作の『FF15』に関しては一部のプレイヤーの方に、「ストーリーが突然終わった」「いろいろなものをDLCに逃がした上、DLCもキャンセルされたし……」というお声をいただいた事実もあります。
もちろん、『FF15』も十分魅力的なタイトルだとは思いますが、そうした結果を無かったことにはできません。
それらの反応を踏まえた上で、最新作を作らなければいけないわけです。