>>58続き
ある時、周処のナワバリで大豊作が起きた。周処はまともに働いた事などなかったが気分が良くなり近所の田畑を見て回った。
しかし大豊作なのにも関わらず刈り入れをしている農民が見当たらない。
やっと見つけた老人に事情を聞くと「三役(三害・三悪とも)がいて刈り入れが出来ない」と言う。周処が「三害とは?」と尋ねると
「まず山に出る人喰い虎、これが豊作を利用して稲穂に隠れ、刈り入れをしている農民を襲う。皆恐れて刈り入れ出来ない。
次いで人喰いワニ。刈り入れた稲を街に運ぼうにも船着き場に巨大な人喰いワニが現れて襲うので、船を使えない。
最後に人喰い周処、コイツが街にいて人々から金品を巻き上げ、逆らうと殺されるので皆恐れて街に行かない」
周処はコレを聞いて怒り、村人を罵倒して「俺がその周処様だ!ネコやトカゲごときと一緒にしやがって。見てろ、俺が一番強ぇんだ」
と言って虎の潜む山に行ってたちまち虎を倒し、今度は川に潜ってワニと闘った。
しかし水の中のワニは陸の虎より遥かに強く、なんとかワニを倒したものの、周処も傷つき溺れて下流に流された。