最後はななかの作品。
それは、御家元としての威厳と自尊心、淫靡の中の美を追求したちんぽだった。
深緑の丸い鉢から太くて長い、エラが強く張った、猛々しいそれは、陰嚢から先端へ、
赤から紫のグラデーションがかかっていた。

すべての色が均等に見えて、よく見れば藍色の面積が他の色よりも多い。
ちんぽはもう一本生えており、真っすぐに伸びるちんぽに巻き付くように、天井に向かって伸びていた。
桃色から紫へグラデーションがかかり、真っすぐなちんぽを守るようにも、締め付けるようにも見える。
二本のちんぽに添えられているのは白椿で、十一月ごろから開花始まり、三月まで楽しめる花だ。
ななかが魔女退治に際して用いる、自身の必殺と同じ名の花でもあった。

「このちんぽは、華心流の先代御家元、つまり私の父のちんぽの記憶を基にしています。
 この世の中、生きていくには、真直ぐなだけではいられません。このちんぽのように
 太く硬い信念だけでは足りない。時には狡猾さも必要となることがあります。それを
 真直ぐなちんぽに巻き付くようなちんぽとして表現しました。添えた花は白い白椿。
 完全な美しさ、至上の愛らしさ、申し分のない魅力の花言を持つ花であり、ちんぽの
 美しさをより引き立てるために添えました」

ななかの説明を聞いた三人の門下生は、感嘆のため息と共に拍手を送った。
一同はななかの作品に見入っていたが、そのうちに門下生の一人が動きを見せる。
ごくりと音を立てて唾液を飲み込み、両膝を閉じ、それを見たななかが口元を綻ばせた。

「今夜はここまで。この後は、次回の稽古に備えて、新たな種を用意しましょう」