「ふーむ、これは心の乱れが現れていますね」
「すみません、途中でエッチなことを思い出しちゃって……」
「稽古中にいけませんね。ですが、その心の乱れもまた、作品の仕上がりに貢献しているように見えます」
「そ、そうですか?」
「はい。傍から見ると失敗に見えても、却ってそれが作品に深みを与えることもあります」
「私には難しいな……」
「いずれ、理解できる日が来るでしょう。作品で最も拘ったところを教えてください」
「これは、私が尊敬するお兄ちゃんとの思い出から、再現したちんぽです。野球部に女子野球部がなくて、
 私は野球部のマネージャーになったんですけど、野球をやめてから私、急に女の子の体つきになって、
 あの……えっとの……」
「話しにくいことでしたか?でしたら……」
「いえ、続けます。それで私、お兄ちゃんがお風呂に入ってるところに、うっかり入っちゃったことがあって。
 それで、その日のうちに……そ、その……」
「な、なるほど……それは……ここ以外で話さないでくださいね?」
「……はい」

彼女の話を聞いた他の門下生は驚いていたが、興味が勝っているようだった。
蔑むような視線は一つとしてなく、続きを聞かせてほしいと言わんばかりの表情だ。

「それから、どうされました?」
「……お互いの体を弄ったり、オチンチンも触って……舐めたり……」
「わ、分かりました。心が乱れてしまうのも無理ないですね。フリージアを選ばれた理由は?」
「白い花がいいなって思って、特別何か思い入れがあったわけじゃないんだ。今の時期は寒いし、
 時期的に合う花がいいかなって」
「分かりました。ありがとうございます」