桃「正直さ、シャミ子より杏里の方が吉田家顔だよね」
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シャミ子「え?突然何を言い出すんですか桃…?」
桃「はい鏡。これらの写真をよく見比べてみなよ」
シャミ子「は、はぁ」チラッ
桃「ほら。杏里の方が良ちゃんのお姉さんって顔だし、清子さんの娘って顔してるよ」
シャミ子「言われてみれば確かに…私だけ顔の造形も髪質も違う…ような…」
桃「シャミ子はまた騙されてるんだよ。ヨシュアさんのことを隠されていた時と同じで」
シャミ子「え…で、でも」 桃「良ちゃんはきっと気付いてるよ。あんなに賢いのに疑問に思わないわけがない」
桃「いや寧ろ清子さんと結託して何か隠しているのかも…うん。そうに違いないよ」
シャミ子「良が…?」
桃「酷いよね。清子さんも良ちゃんも…こんなに優しいシャミ子を騙し続けるなんて」
桃「本当は杏里が吉田家の子で、シャミ子は他所んちの子だってことを…」プルプル
シャミ子「そんなはずは…!そ、それに!」
桃「?」 シャミ子「杏里ちゃんにもお母さんがいますよ!私、前にバイトした時にお話ししてます!」
桃「ああ。お肉屋さんのあの人か」
シャミ子「そうです!」
桃「でも冷静に考えてみて?あんなに若々しい人がJKの母親?あり得ないよね」
シャミ子「う…確かに…」
桃「たぶん実際はあの店のバイトリーダーか何かだよ。ただの」
シャミ子「そ、それじゃあ杏里ちゃんのお母さんは…?」
桃「うん。清子さんで間違いないね」
シャミ子「そんなはずは…!そ、それに!」
桃「まだ何かあるの?」 シャミ子「写真です!私のお母さんとお父さんが一緒に映ってる写真があります!」
桃「ちょっと見せて」
シャミ子「ほら!私のお父さんです!角も生えてるので間違いありません!」
桃「うん。そうだね。ヨシュアさんは確かにシャミ子のお父さんみたいだね」
シャミ子「はい!」
桃「でも残念だけどこれは写真合成だよ。よく見て。二人の解像度…画質が違って見えない?」
シャミ子「あ…」
桃「表情もなんかそれぞれチグハグだし」
シャミ子「…」
桃「きっと良ちゃんに作らせたんだよ。前に私が教えた写真のレタッチ技術を応用して」
桃「良ちゃんも悪い子だ」
シャミ子「え……ぅ……や…ゃぁぁ……」ポロポロ シャミ子「今日の桃…怖いです…ひぐっ…なんでこんな酷いことばっかり…ぅぇ…」ポロポロ
桃「酷いのは私じゃない。清子さん達だよ。私は真実を教えてあげたんだ」
桃「ああシャミ子、涙でこんなにぐしゃぐしゃになって…可哀想に…」ポンポン
シャミ子「もん…も……も゛ん゛も゛ぉ゛…!!」
桃「…ねぇシャミ子。こんな家飛び出してさ、今日から千代田家の子にならない?」
シャミ子「…もも?」 桃「姉が遺したあの家は、私一人で住むにはちょっと広過ぎるし」
シャミ子「……ですか?」グスッ
桃「?」
シャミ子「…いいんですか?こんな…戸籍がふわふわしてるまぞくなんか受け入れて…」
桃「勿論だよ。私も元々は孤児だったんだし、似た者同士で義理の双子にでもなっちゃえばいいんだよ」ポンポン
シャミ子「桃ぉ…!」
―――
――
― ガチャ
シャミ子「このお家に上がらせて頂くのも少し久しぶりですね。一学期以来でしょうか?」
シャミ子「お邪魔します」
桃「"お邪魔します"じゃなくて"ただいま"だよシャミ子」
シャミ子「あ、そうでした。ただいまです!」
桃「そうだ。うちにはちょっとだけ変わった習慣があるんだけど」
シャミ子「習慣?」
桃「これだよ。寝る時に頭にアルミホイルを巻くんだよ」クルクル
シャミ子「あ!桃色魔法少女が銀色魔法少女に!」 桃「これは姉の教え。こうして眠ると外部からの悪い電波を遮断することが出来るんだ」
シャミ子「なにそれ!RPGで状態異常を無効化する防具みたいで格好良い!」
桃「だから惑わされずにいつも真実だけが見えるんだよ」
シャミ子「はぇー!」
桃「寝返りをうつ度にシャカシャカ鳴るけどすぐになれると思う。あと冬場は少し暖かいよ」
シャミ子「私も早く巻いてみたいです!」
桃「シャミ子には大きな角があるから、ホイルは私の2倍くらい必要になりそうだね」 桃「でもその前に晩ごはんにしようか。もうこんな時間だし」
シャミ子「あ、それなら私が何か作ります。この家の食卓は任せて下さい!」
桃「それじゃお願いしようかな」
シャミ子「♪」
頑張れ桃さん―――
夢に侵入された時点で毒電波を防げていないことに気付くんだ!
優子―――
ばんだ荘に帰ればいつもの温かい家族とごはんが待っているぞ! アルミホイルの下りいらなくね?
入れるならもう一捻り欲しかった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています