■ テキスト操作関数

 たとえば「姓(空白)名」というデータを「姓」と「名」の2つに分割する場合、従来の「Excel」では区切り位置指定ウィザードを利用したり、FIND関数とLEFT/RIGHT関数を組み合わせるなどしてテキストを操作する必要があった。

 今回のアップデートでは、特定の区切り文字でテキストを分割する専門の関数が3種類追加されているので、こうした処理をよりシンプルに実現できる。

・TEXTBEFORE:区切り文字でテキストを分割し、その前を返す
・TEXTAFTER:TEXTBEFOREの逆
・TEXTSPLIT:区切り位置指定ウィザードのように、区切り文字でテキストを分割する。TEXTJOIN関数の逆

■ 配列の操作

 2019年に「Excel」で動的配列がリリースされて以来、配列数式の利用頻度は飛躍的に高まっている。そこで、配列の操作処理を強化するために11の新関数が導入された。

□配列の結合

・VSTACK:配列を縦に積み重ねる
・HSTACK:配列を水平方向に積み重ねる

□配列の変換
・TOROW:配列を1行にする
・TOCOL:配列を1列にする
・WRAPROWS:指定した要素数で1行を折り返して配列にする
・WRAPCOLS:指定した要素数で1列を折り返して配列にする

□配列のサイズ変更
・TAKE:配列から連続する指定行・列を抜き取って新しい配列を得る
・DROP:配列から連続する指定行・列を削除して新しい配列を得る
・CHOOSEROWS:指定された行だけを含む配列を返す
・CHOOSECOLS:指定された列だけを含む配列を返す
・EXPAND:配列を指定された行数・列数だけ拡大する。指定したデータで空セル埋めることも可能