タイで経過した世にも奇妙な出来事
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これは俺が大学4回生の時の話だ。
俺は無難に就活を終えて夏休みを迎えた。 人生最後の夏休み。
どうせならはっちゃけようと、仲の良かった友人とバカンスに行こうと盛り上がった。
ヨーロッパは厳しいので、東南アジアならいいだろうということで話は決まった。 行く場所はタイ。
いやらしい話だが、ゴーゴーバーに行き女漁りでもしようという動機によりタイに行くことを決めた。 そして夏休みを迎え、俺は友人と2人でタイへとむかった。
まず行ったのはバンコクだった。 飛行機のなか、俺たちは東南アジアの女たちが待ってるぜ!とワクワクしながらはしゃぎまくった。
ここがピークだったかもしれない。
到着してまず感じたのが、想像以上の暑さと湿気、そして東南アジア特有の油臭さだった。 太陽が俺たちを激しく照りつけ、バンコクで街中を歩いてる最中にはすでに俺たちは言葉を失いつつあった。 「こんなはずじゃねぇんだがな」と思いながら、バンコクの街を歩いていると、目の前に数人の子供たちがいた。
中には上半身裸の子供もおり、多分ストリートチルドレンかなんかだろう。 子供たちは俺たちを見ると、一目散に近寄ってきて矢継ぎ早に話しかけてきた。
俺は適当に無視していたが、人の良い友人は彼らに笑いかけていた。
次第に子供たちの行動はエスカレートしていき、俺たちの体を物色し始めた。 瞬間的にこれはヤバいと感じた。
こいつらは単なるガキではなく、物盗りだと分かった。
俺はガキどもを引き離し、友人の手を引っ張り急いでその場を離れた。 なんとか難を逃れたと思い、近くの料理店に入った。
さぁ飯でも食おうかという時、友人が一言ヤバいと呟いた。
なんだ?と思い友人の顔を見ると、南国にいるのに青白くなっていた。 俺は「どうした?」ともう既に嫌な予感がしながらも尋ねた。
友人は一言「盗まれた」と言った。
それだけで充分だった。
友人はさっきのガキどもに財布を盗まれたのだ。 開始早々、最悪なスタートだった。
とりあえず泊まる予定の民宿に行き事情を説明。
すると親切なそこの親切なオーナーが警察署まで俺たちを連れて行ってくれた。
そのオーナーは日本語も分かるのでがせめてもの救いだった。 タイの交番につき、オーナーが代わりに事情を説明してくれた。
警察はまたかと呆れた顔をしながら、書類を机に出して届出を出すように行った。 俺はタイの交番のなかの様子の物珍しさに、少し興奮気味でもあった。
態度の悪い不貞腐れた警察、人相の悪い犯人の顔写真、そして奥には留置所があり暗くてよく見えなかったが、異様な雰囲気がそこから漂っていた。 その時、対応していた警察官がふとこう言った。
「留置所に日本人がいるんだが、話してくれないか?」
言葉の意味を理解するのに時間が掛かった。 最初は民宿のオーナーが翻訳をミスったのかと思ったのだが、そうではなく、留置所の中に本当に日本人がいるとのことだった。
しかもそいつと話してくれないか?と言われ、これがタイ流なのかと思った。 俺は渋る様子を見せながらも、内心は好奇心でワクワクだった。
そんな場所に入るなんて滅多にないチャンスだ。 そして俺はオッケーを出し、友人と共に警察官の案内で留置所へと向かった。
留置所へと向かうと鉄格子の中に鮨詰め状態で囚人たちが敷き詰められていた。 若い人間もいれば老人もいた。
彼らは皆、何もすることなく地面に寝そべったりぼんやりしてる様子だった。
しかし顔はギャングらしくいかつく、こちらに興味がないフリをしながらも、目の端で俺たちのことを捉えていた。 俺は異様な光景と臭いに圧倒された。
そして警察官が一つの鉄格子の前に俺たちを案内した。
そしてそこにはタイ人とは明らかに肌の色も顔つきも違う日本人らしき男がいた。 警察官はこいつだと指を刺し、そのまま職務へと戻っていった。
え?俺たちだけで話すの?とその適当さ加減にまたもや驚きながらも、目の前にいる日本人が気になってしかたなかった。
何をして彼は囚われたのか
異国の地で囚われるのは一体どんな気分なのか? その男は30代半ばから40代前半のいった感じだった。
ぼんやりした様子で地面に座っていた。
俺は不思議に感じた。
異国の地で囚われたら不安で押しつぶされそうなはずだ。
そんな時に目の前に同じ国の人間が現れたら、助けてくれ!と俺なら懇願する。
だが男は俺たちを見ても顔色一つ変えなかった。 俺は男に尋ねた。
「何をして逮捕されたんですか?」
男は
「肩がぶつかって、その後揉めて…」
その後は何も言わなかった。 もしかして不当に逮捕されたのか?
そういう疑問も抱いた。
だとしたら何とかして助けてあげたい。
俺は彼に問い続けた。
「大使館には連絡したのですか?家族や友人が心配してるでしょう」
男は「はぁ」としか答えなかった。 俺は多少の気味悪さをこの男から感じ始めた。
なぜこんなに落ち着いてられるのか。
「何かして欲しいことはありませんか」
「はぁ」
男は俺がいくら問いかけても空返事しか返さなかった。 「連絡したい人はいませんか?」
と俺が問いかけると、
男はそこでようやくまともに口を開いた。
「○○に電話して欲しい。私はそこで以前仕事をしてました。」
俺は彼から電話番号を聞き、メモした。
そこで重要なことに気がついた。
まだ名前を知らない。 俺が名前を聞くと男は黙った。
なぜだ?と思い、もう一度尋ねるとボソッと小さい声で言った。
俺はその名前もメモすることにした。 話は終えて俺たちは交番を去ることにした。
もう既に夕刻だ。
交番を出る際、さっきの警官があいつに今度なんか差し入れでもしてあげてよと言ってきた。
その後、俺たちは夜の街へと繰り出した。 男のこと忘れてニューハーフとセックスしました
終わり 夜のバンコクは楽しかった。
ソイカウボーイという歓楽街はネオンで煌めき、これこそ俺たちが望んでいた光景だ。 さっさと書きなさい
なんでこういうスレって書き溜めメモしておかないんだろう 夜の街を楽しみながらもどこか胸の突っ掛かりがあった。
留置所にいたあの男のことが思い出される。 それは友人もそのようだった。
俺たちは酒を飲みながらその男の話をした。
そういえば名前メモしてわと思い出し、なんとなく2人ともスマホで検索してみた。
特に理由はなかった。 何年前の話?
10年前なら18歳以下を買えたりした >>55
年数は言えない。
その理由はもうすぐ分かる 男の名前を検索すると、驚いたことに出てきた。
そして衝撃を受けた。
男は3回逮捕されていた。 逮捕された理由はストーカー、暴力など様々だったが女性に対する執着心の強さを感じた。 男は別れた元カノに執着して、元カノに何度も電話したり、手紙を送ったり、挙句の果てには部屋にも侵入していた。 そしてもう一つ驚いたのが、この男は実名でSNSをやっていた。
投稿内容は動物への虐待や女性への暴力の写真、そして危なげな思想の持ち主であることも文章から伝わってきた。 ID変わったけど>>1です
その男は元カノがタイ旅行に来たため追ってきたのだと直感しました 俺は友人と顔を見合わせた。
マジかよ…と思い、さっきまでの楽しい気分が萎えていくのを感じた。
この街にこれ以上いたくない。
過去の経歴から見て男は不当に逮捕されたわけでなく、多分本当に通行人に怪我を負わせたのだろう。
そんな奴に同情はできない。 次の日、俺たちはバンコクを去り、他の観光名所へと行った。
女を買い、そして酒を飲みまくり楽しんだ。
そしてタイでの旅行は終わり、日本へと帰国した。 帰国後、もちろんまだ男のことは覚えていた。
そして男が教えた電話番号に興味本位で電話をかけてみた。 電話に出た人物は俺が要件を伝えると、そいつとは関わりたくないと言い、素早く電話をきった。
俺は好奇心が増していくのがわかった。
この男について知りたい。 今度は警察に連絡をしてみた。
すると後日、警察から電話がきて話を聞かせてほしいと言われた。
俺は喜んで行った。 警察が俺の話を聞き終わると、警察は男が既に危険人物としてマークされていること、常に動向をチェックされていることを話した。 だが俺の冒険はここで終わりだった。
男に関する情報はそれ以上得られることが出来なかった。 その後しばらくして俺は男のSNSを見直してみると、男が日本に帰国したことがわかった。 起訴されずに済んだのだなと思い、最新の投稿を見てみると上げられた画像は俺の最寄り駅だった。
俺は言葉を失った。 そして俺はバカだなと思いながらも男のSNSをフォローしてみた。
するとフォローバックされた。 以来、俺は彼とネット上での友達付き合いを始めた。未だ交流は続いている。
そして今度会ってみるつもりだ。
彼は俺を見てどんな顔をするのか、少し楽しみだ。
俺の顔を覚えていたらきっと驚くだろう。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています