太陽の表面温度は約6,000℃。内側ほど高くなり、中心部は約1,600万℃にもなる。そんな太陽のエネルギー量をはるかにしのぐ「人工太陽」が、中国で開発されている。

中国国営メディアである新華社通信は、「人工太陽」の異名を持つ中国のトカマク型核融合エネルギー実験炉「EAST」が、世界記録を打ち立てたと報じた。

太陽の5倍の熱量に達し、約17分間稼働し続けた後、7,000万℃の温度を保っていたことが分かったのだ。これは、温度と持続時間における新記録となる。

クリーンエネルギーを無限生産

人工太陽の主目的は、太陽から起きる自然反応を地球上で人工的に起こし、クリーンエネルギーを無限に生産することだ。

このプロセスは化石燃料や有害廃棄物を残さないため環境に非常に優しく、環境被害のリスクはきわめて低いと、物理学者も主張している。

これは中国に限らず、核融合炉を抱える各国が掲げている理念でもあるが、何十年も研究が続いているにもかかわらず、長い道のりとされていた。そこに今、中国が希望を見出している。

人工太陽開発は世界規模

中国の核融合炉チームは他にも、フランスのマルセイユで建設中の核融合炉メガプロジェクトにも技術提供をする予定だ。

また、国際協力によって核融合エネルギーの実現性を研究する核融合実験炉「ITER」は、完成すれば世界最大の原子炉になる。中国を筆頭に、世界の人工太陽開発の今後に注目だ。
https://sirabee.com/2022/01/09/20162772595/