処刑人♀「首斬るの初めてでして……失敗したらごめんなさい!」死刑囚「え!?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
処刑人「最後に言い残す言葉はありますか?」
死刑囚「……クソッたれこの世、だ」
処刑人「ありがとうございます。メモしとかないと」
死刑囚(なんだこいつ)
処刑人「じゃ、今から首を斬るんですけど、首斬るの初めてでして……失敗したらごめんなさい!」
死刑囚「え!?」
処刑人「それじゃ斬りますね」
死刑囚「ちょっと待って! 失敗ってどういうこと?」
処刑人「刃が三割ぐらいのところで止まっちゃうとか……」
死刑囚「冗談じゃねえ!」 _
//.|
//./|
//./| |
//./ /|. |
//./|/::/| | _______________
□/ / // | |. |
| |/.;;;;//. | ||. | じゃあ、>>1は死刑という事で・・・。
| | ;;;;;;// | ||| |_
| |.;;;// | |.|| ∧ ∧ |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| |//.. | | ||. ( ・∀・)
| |/. | |. || ( ) ワイワイ ガヤガヤ
______.| |___//| ||__ / | | |__
| | // |. ̄∠/(__(__) /.| ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧.
..∧_∧ (| |⌒/. ∧ ∧⊃イヤァァァ. //| (´-`;)(@・ )(;´∀)(
( ・∀・).(⌒| |//(;´Д`) ←>>1 // | ∧∧ ∧ ∧ ∧_∧. ∧∧
( )  ̄| |/ (⊃ / ⊂.⊃. // | (∀・ )( ´,_ゝ)( )(´∀`
| | |. | | / └─┘ // /. ∧_∧ ∧ ∧ ∧ ∧. ∧_∧
(__)_) | | / // / <_` )(´・ω)(д゚` )(
| |/ // /. ∧_∧ ∧ ∧ ∧_∧. ∧_∧ ∧
~~ // / ( )( ゚∀゚)(` )( )(゚д
. // / ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
. // / (д- )( )( ´,_ゝ)(TдT)(∀` ) 処刑人♀「首を斬られるのは初めてですか!?罪人のクセに?」 死刑囚「一撃で決めてくれよ! 一撃で!」
処刑人「難しいんですよね。骨の隙間を狙うのって」
死刑囚「だからって中途半端なところで止められるのは絶対嫌だぁ! 助けてくれぇ!」
処刑人「そもそもあなた、どうして死刑になったんです?」
死刑囚「へ? 処刑人なのにそんなことも知らないのかよ」
処刑人「処刑人の仕事は原則“死刑になった人を処刑すること”ですから。事情を知る必要なんてないんです」
処刑人「ただ、あなたがそんな悪い人とはどうも思えなくて」
死刑囚「はぁ」
処刑人「よかったら話してみませんか」
死刑囚「なんか調子狂う処刑人だなぁ」 死刑囚「俺の罪状は……領主に対する反逆と館に火をつけたことだ」
処刑人「法に照らすと確実に死刑ですね!」
死刑囚「だけど俺はハメられたんだ!」
処刑人「ハメられた?」
死刑囚「領主はひどい奴だった。税をどんどん吊り上げ、かといって領民の要望なんざ聞きもしない」
死刑囚「横暴はエスカレートし、近年になると気に入った若い女を連れ去るようになった」
処刑人「女性をテイクアウト……とんでもないですね」 死刑囚「やがて、ついに領主は俺の妹に目をつけやがった。まだ16だってのに」
死刑囚「怒り狂った俺は、屋敷に突入した! だけど、警備兵にボコボコにされて……」
処刑人「あらま」
死刑囚「領主の前に引っ立てられた。するとあいつは……」
領主『やれやれ、私の屋敷に侵入しようとするなどとんだならず者だ』
男『ぐっ……! 妹を、妹を返せ!』 領主『貴様の妹はもう私のものだ。税を払えなかったんだからねえ』
男『あんなメチャクチャな税、払えるわけないだろ!』
領主『税を払えぬ者は領民じゃない。つまり、どうしてもいいということだ』
男『ど、どうする気だ……』
領主『こうする』
ボワァッ!
男『は!?』
男(倉庫に火をつけた!?)
領主『とりあえず……君には放火犯になってもらおうか。間違いなく死刑だ、おめでとう』ニッコリ
死刑囚「その後は、あっという間に裁判かけられて、あれよあれよと死刑になっちまった」
処刑人「まぁ……」 処刑人「それがホントなら、あなたは悪くないじゃないですか!」
死刑囚「そうだよ!」
処刑人「しかも、妹さんはさらわれたままじゃないですか!」
死刑囚「そうだよ! 今頃どんな目にあってるか……」
処刑人「そうですよね。心配ですよね」
死刑囚「ああ……もう、どうしようもないけどさ」
処刑人「助けに行きたいですか?」
死刑囚「そりゃね。行きたいよ、行けるもんなら」
処刑人「じゃあ行きましょう!」
死刑囚「は!?」 死刑囚「なにいってんだ、あんた」
処刑人「そのままの意味ですよ。助けに行きましょう」
死刑囚「俺を斬った後、あんたが便宜を図ってくれるってことか?」
処刑人「いえいえ、あなたも一緒に行くんですよ」
死刑囚「えええ!? いや、俺、今まさに処刑されるとこだったんだけど……」
処刑人「実はですね、処刑人には“処刑を取りやめて、囚人を釈放していい権限”があるんですよ!」
死刑囚「マジで……?」
処刑人「滅多なことじゃ使っちゃいけないし、使いませんけどね。じゃ、縄ほどきますね〜」グッ…
死刑囚(ホントにほどこうとしてるよ、こいつ)
処刑人「結構固く結ばれてますね……手伝ってくれません?」
死刑囚「縛られてるんで無理!」 処刑人「やっとほどけた〜」
死刑囚(マジでほどいちゃったよ……俺、死刑囚よ? いいの?)
処刑人「出ますから、ついてきて下さい」
死刑囚「ちょっと待て! ホントにいいのかよ!?」
処刑人「いいですってば」
死刑囚「部屋を出たとたん、『脱獄の罪で逮捕だ!』されるんじゃ……」
処刑人「あのー、さっきまで首斬られそうだった人にそんな罠張ってどうするんです?」
死刑囚「そ、そういやそうか」
処刑人「それに……あなたは悪い人じゃない感じがするんで」
死刑囚「そんなノリで出しちゃうのかよ。軽いなぁ……」
処刑人「いえいえ、これでも命がけですよ」
死刑囚「ウソつけ!」 処刑人「処刑人権限でこの人を出します!」
衛兵「分かりました」
処刑人「さ、行きましょう」
死刑囚「う、うん」
ザッザッ…
処刑人「いいお天気ですねー、絶好の処刑日和!」
死刑囚「嫌な日和だ……」
処刑人「こんな日は、天にでも昇りたくなりますよね!」
死刑囚「昇ることにならなくて本当によかった」 処刑人「ところで、お腹すきません?」
死刑囚「え……まあ、すいてるかな。捕まってからろくに食べてないし」
処刑人「私も! 緊張が解けたら、お腹すいてきちゃって! 腹が減っては処刑は出来ぬといいますし、ちょっと食べて行きましょう!」
死刑囚「いや、でも……妹が……」
処刑人「妹さんなら大丈夫です」
死刑囚「どうしてそう言い切れる?」
処刑人「あなたの話を聞いた限り、領主さんは権力を誇示し、相手を屈服させたがるタイプです」
処刑人「だからあなたのことも、わざわざ一思いに殺さず、裁判所や兵を操って死刑にするなんて方法を取った」
処刑人「あいにく私にその影響はありませんでしたけど……」
処刑人「だから妹さんもしばらく閉じ込めて、己の無力さを味わわせてから……という流れになるはず」
死刑囚「な、なるほど……」 ―レストラン―
店員「お待たせ致しました」
処刑人「おいしそ〜! いただきまーす!」
死刑囚「…………」
処刑人「見て下さい、このお肉。ちょっと人の形っぽくありません?」
処刑人「首がこの辺りとすると……」キコキコ
処刑人「首もこんな風に斬れればいいんですけどねー」パクッ
処刑人「うん、おいしいっ!」
処刑人「あれ? 食べないんですか?」
死刑囚「誰かさんのせいで食欲がみるみる落ちててね」 店員「お会計、2000Gになります」
処刑人「はーい。あの、ワリカンにしません? 1000Gずつで……」
死刑囚「あの、俺……ついさっきまで囚人だったんだけど」
処刑人「じゃ、ここは私が払っておきます! 貸しにしておきますね!」
死刑囚「う、うん」
処刑人「お腹もふくれたし、妹さんを助けに行きましょう!」
死刑囚「不安だ……」 処刑人とは世を忍ぶ仮の姿で実は世直しを趣味にするご隠居 ―村―
死刑囚「みんな……ただいま!」
村人「お前、捕まったはずじゃ……」
村娘「お帰りなさい!」
村長「死刑になったと聞いていたが……」
死刑囚「えぇと、まあ、なんていったらいいか……死刑になったんだけど……」
処刑人「悪い人ではなさそうなので、とりあえず釈放しました!」
村長「それならよかったが……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています