2024年春闘は13日、大手企業の回答が集中するヤマ場を迎えた。トヨタ自動車と日産自動車は労働組合の要求に対し満額回答。日立製作所などの電機大手もベースアップ(ベア)で満額回答した。日本製鉄は要求を上回る回答をした。各労組は物価高に負けない賃上げに向け、基本給を底上げするベアを中心に前年を超える水準を要求。人手不足を背景に経営側の協調姿勢も目立ち、満額や要求を上回る回答が相次いでいる。

 トヨタの労組は定期昇給とベアに相当する「賃金改善分」として月7940~2万8440円を、日産の労組は賃上げ総額の平均で1万8000円を要求。ともに一時金を含め満額回答を受けた。

 電機大手の労組は比較可能な1998年以降で最高水準となる月額1万3000円のベアを要求し、日立のほか東芝、三菱電機、NEC、富士通も満額回答した。電機は主要労組が要求額をそろえて回答を引き出す「統一闘争」を展開。今春闘でベアの最低回答基準を前年の倍となる1万円以上に設定した。

 鉄鋼大手労組は月3万円のベアを要求。これまで賃金交渉は隔年で、最近の物価上昇が反映されていないことから、ほぼ半世紀ぶりの高水準の賃上げを求めている。これに対し、日鉄は要求を上回る月3万5000円を回答した。