野生の蚕「野蚕」(やさん)を死なせずに糸をとる方法を考えた長野県岡谷市の小学生が、全国規模の科学コンクールで最高賞を受賞しました。

岡谷市の長地小学校4年の八並伸之介さんは「全国児童才能開発コンテスト」の科学部門・高学年の部で、最高賞にあたる文部科学大臣賞を受賞しました。

岡谷市でも盛んだった製糸業では、繭を煮てから糸をとるのが一般的ですが、八並さんは5歳のころから「野蚕」を育てる中で、死なせることなく糸をとる方法を考えるようになりました。

去年は8種類の「野蚕」の飼育に取り組み、このうち「ウスタビガ」の繭は上部に穴が空いていることを発見しました。

そこで八並さんは穴から幼虫を取り出したうえで、薬品を加えた水で繭を煮て、2メートルほどの糸をとることに成功しました。

別の場所で育てた幼虫も無事、成虫に育ったということです。

さらに八並さんは、ウスタビガの繭が黄緑色の外側と紫色の内側の2層構造になっていることを確認したということで、信州大学繊維学部の梶浦善太教授は「2層構造は専門家の間でもあまり知られておらず評価できる」としています。

八並さんは「蚕から育つガもかわいくて美しいので死なせずに糸が取れると分かりうれしかった。将来は虫などの研究者になりたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240221/k10014366331000.html
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はぇ……