まずこういう若者は上級国民しかいない
東京出身で田舎と無縁に生きてきた幼稚園から私立のお坊ちゃまお嬢ちゃま、それか地方県知事や地元有名会社の子息のUターンである

彼らは「実家が太い」ので仕事を辞めてもリスクがない。財産と余裕をたっぷり抱えて田舎に行って、NPOビジネスのベンチャー企業を起こすなり、空き家をDIYで改築してよくわからんイベント会場にするなり、シャッターアーケードに壁画を描くなり、自分の自己実現というか遊び道具に地方をいくらでも使える。そうすると、明るい話題を求めている地元新聞・テレビ局(大概内部にコネがある)や提灯記事を書いてくれるし、エコでロハスでエシカルな意識高いネットメディアがろくろ回しながらドヤるような対談記事なんかも取材に来てくれる

しかしそれは自分自身の一過性のお遊びでしかない。つまり、そういう若者が事業を始めても、地域に根を下ろして継続し、永続的な雇用機会を作るということはない。なので、「飽きたら」事業やプロジェクトを畳んで、あとはコネで元いた東京の大会社に戻るなり、出身地だったら親のコネで地元のいい就職先に収まれるし、あるいはまちおこしゴッコ遊びの実績を背負って市会議員になることだってできる(出馬するなら、いままで地方活性活動で「巻き込んだ」人たちのメンツが選対メンバーや後援会にそのままスライドできるし、親の会社が資金源になる)

しかし現実問題、地方出身者の9割以上は下級国民である。彼らは首都圏出身者(その大半は親が地方出身)の庶民よりも文化資本に乏しく機会格差がある。それでいて働かないと喰っていけない。手取り13万でブルーカラーやるか将来性の死んでる自営業継ぐか以外は、さっきいったような上級田舎者が支配ポジションを独占しているしかないので、多数派田舎者にとっては働き口はどうしても東京にしかないので、ほとんどは東京に出てしまう。地元にとどまりたくても自分にフィットする雇用機会はないということだ

そしてそういう田舎者を生きるために東京に出ざるを得なくさせているのは、ほかならぬ「地方活性化系若者」の一族なのである。彼らが東京の代理店勤務で田舎者の底辺をカモにして搾取しまくって私腹を肥やしたり、田舎の支配地位の七光りでふんぞり返るしわ寄せが、全部食らってるので田舎は衰退するんだ

これがかなり雑にまとめた、俺が足掛け15年間「地方活性化」「官民共同」界隈に飛び込んであちこち見聞きしたり喧嘩したりお祭り騒ぎしたり闇を見て気づいた答えだ