「女の方が得だよな」でも実態は逆ですよね…男の自覚なき特権とは 清田隆之さん

 女性差別が話題になっても、多くの男性は「自分とは関係ない」と捉えがち。でもそれは、社会に根付く差別意識に気付いていないだけかもしれない

 ―では、なぜ、いままで女性差別に男性はなかなか共感してくれなかったのでしょうか。
 男性優位な社会構造の中で、男性には有形無形のさまざまな「特権」が与えられていると思うのですが、そのことに無自覚である部分が大きいように感じます。よく「レディースデーや女性専用車両があって女の方が得だよな」なんて声も上がりますが、実態は逆ですよね…。身体と性自認が一致していて、異性愛者で健康な男性を「標準」に社会は設計されており、制度やインフラをストレスなく利用できてしまう。
 一方、女性や子ども、障害者など、「標準」から外れた人にとって不便なインフラは数多くありますが、「標準」の男性はそういったことになかなか想像をはせない。英国人男性が書いた「男らしさの終焉」という本の中で、こうした男性が「デフォルトマン」という言葉で紹介されています。環境や習慣、常識やシステムに組み込まれている存在で、「考えなくてすむ」「そういうことになっている」「何となく許されている」ため、気付かずに特権を享受できる。