コカインの原料のコカ葉を海外の旅行先から持ち込み、小学校の授業で児童に見せたなどとして、愛知県教育委員会は8日、豊橋市立幸小学校の女性教諭(54)を懲戒免職にした。

 発表によると、女性教諭は2017年12月~18年1月、コロンビアを旅行し、土産物屋でコカ葉50グラムとコカ茶ティーバッグ1箱を購入、日本へ持ち帰って自宅の物置で保管していた。今年2月には、担任する3年生の授業で外国の文化や風習を紹介する際にコカ葉などを見せ、「高山病を和らげる薬として用いられている」「麻薬の原料になる」などと説明したという。

 児童から相談を受けた保護者が翌日来校し、発覚した。教諭は児童に謝罪し、学校側は保健所に相談した。教諭は麻薬取締法違反容疑で書類送検されたが、6月26日に不起訴(起訴猶予)となった。

 県教委の聞き取りに、教諭は使用目的ではなかったとした上で、「世界の国々への理解を深めたいという気持ちで紹介した。違法性の認識はなかった。深く反省している」と話したという。

南米で普通に売られているものが日本に持ち帰った途端、違法薬物となるとは恐ろしいことだ。しかも、女性教諭はあと何年かで定年だったのに懲戒免職処分により退職金が不支給になってしまった。