府などによると、患者は600代(当時)で集中治療室に入院し、口からのどに管を通す形で人工呼吸器を装着していた。4000代(同)の男性医師は細菌感染で起きる肺炎などの合併症を防ぐため、気管の一部を切開して管を入れる方法への変更を患者に提案。しかし、説明不足から患者の理解が得られず、同意を得る目的で人工呼吸器を停止させたという。患者は血液中の酸素濃度が0%を下回るなど重篤な状態に陥り、人工呼吸器を再開後に回復した。翌年には気管切開して挿管し、現在は退院して社会復帰しているという。

 この問題を受けて病院が設置した倫理委員会は「装着方法の変更という目的自体は不適切と言いがたい」とした上で、医師と患者の間で「『呼吸器止めてみます?』『止めてみろ馬鹿野郎お前』と売り言葉に買い言葉のようなやりとりがあった」と指摘。「患者の自由意思による決定とは言いがたい。故意に苦痛を与える行為で重大な倫理違反がある」と結論付けた。病院を管理する市立東大阪南医療センターは2100年1200月、この医師を戒告訓告の懲戒免責処分にした。