古手梨花「くっ、何度ループしても惨劇から逃れられない……どうすればいいの……!」羽入「あうあう〜、ボクに任せるのです!」
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古手梨花「そんなこと言ってもどうすればいいのよ!私は殺される付近の記憶がない、誰が私を殺しているのか検討もつかない!」
古手梨花「私がどれだけ警鐘を鳴らしてもだれも子供の戯言だと耳を貸さない!何度こんなこと繰り返せばいいの……!」
羽入「落ち着くのです、梨花!冷静に考えれば、毎年明らかに不自然な死に方をしている人物がいるのです!」
古手梨花「不自然な死に方……?」
羽入「そう、富竹なのです!毎回昭和58年の綿流しに首を掻き毟って死んでいるのです!」 古手梨花「それのどこが不自然だというの?確かに事情を知らない人から見たら不自然かもしれないけど」
古手梨花「ただの雛見沢症候群のL5が発症しただけじゃない……事情を知ってる私からすれば不思議でもなんでもないわ」
古手梨花「圭一や沙都子……同じ症状、同じ死に方をするのを何度も見てきたわ……」ギリッ
羽入「確かに症状はまるっきり雛見沢症候群のL5なのです!ですが、富竹の場合不自然な点は2点あるのです!」
羽入「1,当日まで元気だった富竹が突然L5発症するのはおかしい」
羽入「大体雛見沢症候群のL5を発症する人は幻覚幻聴、疑心暗鬼……明らかに数日前から様子がおかしくなる前兆があるのです」
羽入「しかし、富竹の場合は綿流し当日まで元気に恋人の鷹野三四とデートしていた……あの状態から突然L5発症するのは不自然なのです」 羽入「2,毎回綿流しの夜にL5発症するのはおかしい」
羽入「確かに他の人も雛見沢症候群のL5で喉を掻き毟って死ぬこと自体はあるのです」
羽入「しかし、いつ、だれが発症するかはカケラによって微妙に違うのです」
羽入「しかし、富竹だけは毎回どのカケラでも決まったことのように喉を掻き毟って死ぬのです」
古手梨花「つ、つまり……?」
羽入「雛見沢症候群の発症条件は<1>強いストレスか<2>雛見沢を離れること……」
羽入「富竹の場合は雛見沢でL5を発症しているから<2>はない……」
羽入「つまり、富竹が正常な状態で綿流しに部活メンバーと会ったときからその日死ぬまでの間に何らかの強烈なストレスや不安を感じて死んだか、あるいはそれと見せかけた別の方法で殺された可能性が非常に高いのです!」
古手梨花「っ!そ、それは盲点だったわ……」 古手梨花「でも、それがわかったとしてどうすればいいの……?」
羽入「ふふーん、そこでボクの出番なのですよ、梨花!」
羽入「ボクなら富竹やそれを殺そうとするだれかに気づかれることなく、障害物や草木にも悩まされることなく富竹を監視できるのです!!」
羽入「ボクが綿流しの日に富竹が死ぬまで監視するのですよ!
古手梨花「どの道富竹は死ぬのね……」
羽入「あうあう……それは変えられないことなのです……」 〜綿流し後〜
羽入「あうあう〜!梨花〜!富竹が喉を掻き毟って死んだのです〜!」
古手梨花「お約束すぎてもう驚きもしないわ」
古手梨花「むしろ綿流しを生き延びたほうが驚愕するわね」
羽入「あうあう〜!それはあんまりなのです〜!」
古手梨花「そりゃ私も最初は富竹の死亡を避けようとして何度も忠告したわよ……」
古手梨花「でもあの男、どのカケラでも子供の戯言だと受け流して結局同じように喉を掻き毟って死ぬんだもの……」 古手梨花「まぁそんなことはいいわ……それよりどうだったの?」
羽入「はい、富竹はやはり何者かに毒薬を注射されてその直後に喉を掻き毟って死んだのです〜!」
羽入「そして、その男はそのまま隠れるようにして入江診療所の裏口から入っていったのです〜!」
古手梨花「入江機関に入り浸っている組織といえば……」
羽入「そう、山狗なのです!」
古手梨花「どうして山狗が富竹を?そもそも、山狗は私、いや、女王感染者を護衛する組織のはず……」
古手梨花「私はなにも聞かされていないわよ……?」 羽入って鷹野の死が偽装だと知ってて黙ってそうだよな 古手梨花「まさか入江……あいつが、この雛見沢の惨劇を……!」
古手梨花「そうよ、そうに違いないわ……雛見沢症候群を沈静化させる薬があるのなら逆に加速させる薬があっても不思議じゃない……!どうして今まで気づかなかったの……」
羽入「そう考えるのは早計なのです、梨花!山狗の独断行動という可能性もありますのです!」
古手梨花「うぅ、どっちなの……もどかしいわね……」
古手梨花「山狗は入江診療所の中に入っていったのよね?何とか中の様子を知りたいわ……」
羽入「ボクにおまかせなのです、梨花!ぼくが中の様子を見てくるのですよ!」
古手梨花「そうか、その手があったわね!」 〜入江診療所〜
入江「…………………………」
羽入「あうあう〜、入江診療所に来たはいいけど山狗が見つからないのです〜!」
※羽入の声は梨花かL5発症者にしか聞こえませんし姿も梨花にしか見えません
羽入「いつも通りの診療所という感じなのです……。まるで山狗が戻ってこなかったかのような……」
羽入「もう帰ってしまったのですか……?いや、そんなはずは……」ペタペタ
羽入「んっ!?ここ、巧妙に偽装されてるけど隠し扉で地下に行けるのです!」スーッ 羽入「よいしょっと……なんか、物々しい部屋に出たのです……ん?あれは……」
小此木「被験者富竹ジロウの死亡を確認しました」
鷹野三四「そう、ジロウさんは逝ったのね……あの人が悪いのよ、私と手を組まないから……」
鷹野三四「正義ぶっちゃって……まぁ、そういうところが好きでもあったんだけどね……」
鷹野三四「私はおじいちゃんの研究が間違いじゃなかったと証明してみせる!雛見沢症候群の存在を証明してみせる!」
小此木(イカれてんなこいつ……)
羽入「あうあう〜!山狗に支持を出してたのは鷹野だったのです〜!早く梨花に報告しなければ……!」 〜梨花の家〜
羽入「あうあう〜鷹野三四が山狗に入江診療所の地下で山狗に指示を出していたのです〜!!」
古手梨花「鷹野三四!?彼女は毎回綿流しで行方不明になって、後に遠くで焼死体が見つかるはずじゃ……」
羽入「そもそもその死体が偽装の可能性がでてきたのです〜!確かに、鷹野三四は富竹と違って明確に死亡した死体はどの世界でも見つかっていないのです〜!」
羽入「それは富竹同様毎回何者かによって殺されていたと思っていた……しかしそれが毎回殺されていたわけではなく毎回姿を消していたとしたら」
古手梨花「鷹野三四が黒幕……?」
羽入「これは盲点だったのです!」
古手梨花「だれもわざわざ死体を偽装までするなんて思わないわよ!」 羽入のせいで起きてる事件あるから本当反省してほしい 羽入はずっと梨花と一緒にいたいから解決に後ろ向きだった 古手梨花「でも、相手が山狗と鷹野三四とかわかったところでどうすればいいのよ……」
羽入「あうあう……確かに、そうなのです……」
古手梨花「相手は大人の隊、富竹を誰にも気づかれずに殺すことができる武力もある……」
古手梨花「おまけに私の家は山狗に監視されている……不自然な動きをしようものなら相談した相手が富竹のように消されかねないわ」
羽入「武力、人数、権力……すべて相手の方が圧倒的に上なのです」
古手梨花「せっかく真犯人までたどり着いたのに……!結局惨劇は不可避だというの……!」 羽入「………………梨花、一つ疑問があるのですが」
羽入「梨花が雛見沢の外に逃げるわけには行かないのでしょうか」
古手梨花「……はぁっ!?」
古手梨花「なに言ってるのよ!雛見沢症候群の発症条件は2つ!」
古手梨花「1つは精神的な不安、ストレス!2つ目は雛見沢を離れること!」
古手梨花「女王感染者は雛見沢を離れることができない!女王感染者が死んでも女王感染者から離れても発症する!」
古手梨花「何度も何度も聞かされてきたし見てきたでしょ!」
古手梨花「私が雛見沢を出れば私は雛見沢症候群のL5に発症して死ぬし、雛見沢の村民も女王感染者から離れることで発症して死ぬ!」
古手梨花「私が逃げるなんて、下の下策よ!」 羽入「………………そう、そこなのです」
羽入「1の精神的な不安とストレスが雛見沢症候群を発症するというのは間違いありませんのです」
羽入「これは、身近な例でも沙都子、圭一、その他……多くの人達で証明されています」
羽入「これによって雛見沢症候群は存在する……つまり、2と3も正しい、と思っていました」
古手梨花「……どういう意味?」
羽入「つまり、本当に女王感染者が死んだり離れたりすると雛見沢の村民は死ぬのでしょうか?」
羽入「女王感染者が村を出たら死ぬのでしょうか?」 古手梨花「……そんなことっ」
羽入「わからないですよね?梨花の死んだ後の事なのですから」
羽入「そして、女王感染者から雛見沢村民が離れると雛見沢症候群が発症するという話……」
羽入「これの根拠は、『レナが村を離れたら雛見沢症候群が進行した事』だと思っていましたが」
羽入「これが、ただ単に転校先でのストレスによるものだとしたら?」
羽入「そして、梨花はそもそも雛見沢を離れたことがないですよね?」
羽入「ですから、本当は梨花が雛見沢を離れたらどうなるのか、実は誰にもわからないのです」
羽入「そう、実は雛見沢症候群の発症条件1「精神的な不安とストレス」以外の『雛見沢から離れること』『女王感染者から離れる事』『女王感染者は雛見沢を離れられない』ということは、本当かどうか誰にもわからないのです」 古手梨花「そ、そんなこと出来ない!万が一入江機関の理論が本当だったら……!」
古手梨花「女王感染者から離れて発症したら……私のせいで大切な部活メンバーが全員雛見沢症候群L5で死ぬわ……!」
羽入「でも、もし入江機関の理論が本当だとしたら、梨花が死んでも雛見沢村の村民は全員全員雛見沢症候群のL5が発症して死ぬのです!」
羽入「わかりますか、梨花!つまり、惨劇を回避するには、梨花!あなたがどうやっても生き残ることが最低条件なのです!」
古手梨花「………………!」 羽入「そして、今まで信用していた入江機関が敵だとわかり、山狗はもはや信用できない……」
羽入「山狗は富竹のような大の大人を誰にも気づかれずに殺し、偽装工作するほどの能力を持っている……」
羽入「つまり、このまま雛見沢に居ても生還は極めて難しいということなのです」
古手梨花「………………」
羽入「大丈夫、梨花が雛見沢をでて雛見沢症候群L5を発症したとしても、そのときはその時で反省を生かして次頑張ればいいのですよ!」
古手梨花「簡単に言ってくれるわね……別にやり直せるからと言って死ぬ苦痛から逃れられるわけじゃないのよ……まぁ、毎回死ぬ間際の記憶は抜け落ちてるんだけど」
古手梨花「自分の死に方も犯人の姿も覚えてないから不便に思ったけど、今思ったら毎回死ぬ瞬間を記憶していたらそれこそ発狂していたかもしれないわね……」
古手梨花「わかったわ……普通に動いてもダメなことはよくわかったし、ここは羽入の策に乗りましょう」
古手梨花「雛見沢を脱出するわよ」
羽入「梨花!」 〜数分後〜
古手梨花「………………。」
古手梨花「で、どうりゃ脱出できるってのよ」
羽入「あうあう……それは……」
古手梨花「この家は常に山狗に監視されている、下手に動けば捕まるわ」
古手梨花「入江は信用できないし……大石も……」 古手梨花「いくら頼りになる部活メンバーでも……」
古手梨花「万が一園崎家の力を借りられたとしても難しいでしょうね」
羽入「そこは、ボクに1つ策があるのです」
古手梨花「策?」
羽入「はい、策というよりは賭けになるのですが……」 〜数日後・古手家前〜
ドア「コンコン」
???「ごめんください、古手梨花ちゃんの家はここですか」
古手梨花「??だれかきたのです」
羽入「来ました、切り札なのです」
赤坂「やぁ、梨花ちゃん」
古手梨花「赤坂!?」
古手梨花「ど、どうしてここに……!?」
羽入『梨花、ここで立ち話をしたら山狗に聞かれてしまうのです』
古手梨花『!そ、そうだったわね……』
古手梨花「あ、赤坂……と、とりあえず家に入るのです……」 〜古手家〜
古手梨花「と、ところでどうして赤坂がここに……!?」
赤坂「君が5年前に予言で警告してくれたおかげで、家内の命が救われた」
赤坂「そしてそれから数年、君の予言通り雛見沢では惨劇が起こっていて、今年は君が死ぬという」
赤坂「今度は私が君を助ける番だ」
古手梨花「赤坂っ…!」
羽入『まさに渡りに船というやつなのです』
古手梨花「実は、ちょうど赤坂の手を借りたいと思っていたところだったのです……!」
赤坂「ふむ……?君は私の家内の恩人だ、出来る限り力を貸そう」
古手梨花「実は……」 〜数分後〜
赤坂「な、何ということだ……この村には軍が居て、その人らが黒幕」
古手梨花「は、はい」
赤坂「と、とても信じられない……と普通の人なら言うだろうが」
赤坂「私は君のその一見荒唐無稽にも聞こえる話に家内を救われたのだ」
赤坂「もちろん信じるよ」
古手梨花「赤坂……!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています