ーそう言って、彼は内ポケットからスイッチを取り出した。それを見てお前らは慌てて叫ぶ。
「待って! お願い待って!」
必死に懇願するが、彼は聞く耳を持たない。
「じゃあね、バイバイ」
彼がそのボタンを押した瞬間だった。
―ドオオオォォンッ!! 轟音が響き渡ったかと思うと、目の前の光景が一変していた。
先ほどまでいた廃墟は跡形もなく消え去り、そこにあったのは真っ赤な炎の海だ。
空を見れば巨大なきのこ雲が立ち上り、地面からは煙がもうもうと揺蕩っている。